2002年 師走の乱 2

     12月15日(日) にゃおたちは、チラシ広告を出したホームセンターに出向いた。
     詳しい話を聞くのに子供がいると騒々しいので、車の中で主人が子供の相手をして待つといい、
     にゃお一人が店の中に入った(主人、店に入ったりするのがあまり好きじゃない)。

     サービスカウンターでウォシュレットのことで説明を聞きたいと伝えると、
     「それでは係りのものを呼びますので○番コーナーでお待ちください」と男性店員が言いながら
     店内マイクを手にし、「○番コーナーお願いします」と放送した。
     ○番コーナーは化粧台やウォシュレットなどのある列で、たくさんの展示品が置いてある。
     係りの店員を待ちながら、にゃおは展示されているウォシュレットをしげしげと眺めた。

     なんだか、このウォシュレット、デカイぞ?

     家についている便座を思い出してみると、展示されている(売り出しになっている)商品は
     どれもサイズが大きいような気がした。 便座の大きさにはレギュラーサイズと少し大きめの
     エロンゲートと呼ばれるサイズの2種類がある。 実家のトイレは和式から洋式に替える時、
     エロンゲートサイズにしたけど、今の家のトイレはなんだろう。 考えたこともなかったな。

     5分経った。 係りの店員は現れない。
     日曜日ということもあるのか、店内は昼前近い時間だというのに大勢の人でごった返している。
     そこかしこで店員が客に説明している姿が見られる。 放送で呼ばれた係りの人も
     まだ別の接客が終わっていないのかもしれないね。

     さらに5分経った。 どう考えてもおかしい。 店内放送が聞こえていないのか、聞こえたけど
     忘れてしまっているのか・・・ しかたなく、サービスカウンターへ戻り、「いつまで待っても
     来ませんよ?」と少し皮肉った笑いを浮かべながら言ってみた。

     店員:「あれ!! どうもすみません!! なにやってんだ、まったく(汗)」

     店員が慌てながら頭を下げると、そばを通りかかった若い男性店員を呼び止めた。

     店員:「ちょっと! こちらのお客様に○番コーナーの説明をしてさしあげて」


     若い男性店員とウォシュレットのコーナーにて。

     にゃお:「このウォシュレットって、どんな便器にもつけられるんですか?」
     男性店員:「そうですね。 アジャスターみたいなのがついてまして、ある程度のサイズ差が
             あっても調節してつけることはできます
     にゃお:「家の便座の品番がこれなんですけど(メモってきた紙を見せる)、この便座にも
           つきますか?」
     男性店員:「・・・そう・・・です・・・ね。 つくと思いますが・・・ちょっとお待ちください」

     どこかへ兄ちゃんは走って行き、すぐに戻って来る。

     男性店員「はい、大丈夫です。 つきます」(←誰かに確認を取ったな)
     にゃお:「それじゃ、次に洗面所の水栓のことなんですけど。 今は混合水栓がついてるんで
           今度はシングルレバーのものに替えたいんですが、それは可能ですか?」
     男性店員:「はい、それは大丈夫です」(←これは自信があるみたいだね)
     にゃお:「あと、換気扇を取り替えたいんですが、売り出しに出てるものは30センチタイプ
           ですよね。 うちのサイズを測ったら24センチくらいだったんですけど、それだと
           売り出しの商品は取り付けることはできないんですよね?」
     男性店員:「そうですね」
     にゃお:「それじゃ、このサイズ(24センチ)に合う換気扇って、こちらで取り扱ってます?
     男性店員「え・・・と・・・ すみません。 もう一度、お待ちください(汗)」

     再び兄ちゃん、どこかへ走り去る。 今度は少し時間がかかって戻って来る。

     男性店員:「えっとですね、この商品(売り出しに出ている30センチタイプ)の下のサイズで
            20センチっていうのがあるんですが、それだとつきます
     にゃお:「20センチの商品はおいくらなんですか?」
     男性店員:「(手のひらを見ながら)えっと・・・5980円ですね」(←ちゃんと値段もメモってきたらしい)
     にゃお:「わかりました。 それでは以上の3点をこちらでお願いするという方向で一度下見に
           来て頂いてもいいでしょうか?」
     男性店員:「はい、いいですよ。 それでしたら、こちらで承りますからどうぞ」


     サービスカウンターへ戻ると、兄ちゃんは『対応メモ』と書いてある専用の用紙を取り出して
     にゃおが頼んだ3点のことを書きとめた。 それから、にゃおが名前や住所を書き込む。
     業者の方から下見の日を連絡させるからという事になった。

     やっと店の外へ出る。 もう30分近くが経っているじゃないの。
     子供は車の中ですっかりダレていた(笑)  遅かったねぇという主人に店での内容を話すと、
     「(呼んでも店員が来なかった点について)なんか出足でつまづいたのぅ」と苦笑いをした。

     何はともあれ、第一歩を踏み出したわよ。
     ああ、上手く行けば年内にトイレと洗面所と換気扇が綺麗になるんだわ。
     にゃおは背後に迫り来る暗雲に気づきもせず、うきうきとした気分になっていた。

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