それいけ、海へ! にゃお家の珍道中  その13

     また来た道を戻る。 国道31号線に戻って、広島方向に進んだ。
     しばらくして、また緑色の看板が見えてくる。 にゃおも身を乗り出して文字を読んだ。

     主人:「なんじゃあ、ここじゃなぁか(なんだ、ここじゃないか)」
     にゃお:「呉方面と広島方面の進入路が別の場所にあったんだねぇ」
     主人:「これじゃけぇ、広島はキライよ。 ほんま、不親切よねぇ」
     にゃお:「うんうん、不親切よねぇ。 にゃおだって、絶対、間違えるわ」

     地図をちゃんと見れば載ってるんだよね。 ごく普通は同じ進入路の途中から上り方面と
     下り方面に別れるんだけど、ここの場合は上り(呉)方面と下り(広島)方面の進入路が
     別々に設けられてるんだわ。 ということはだよ? さっき、間違えた進入路の案内板には、
     ちゃんと呉方面への入り口だってことが書いてあったんじゃないの? 
     にゃおはよそみしてたから気がつかなかったけどさ。
     ちょいと、そこんとこ、どうなのさ? え? ご主人さんよ。 ちゃんと見なかったんかい?

     そんなことも思ったけど、もう、二人とも、案内板の不親切に全責任を押し付けちゃったわよ。
     お互いのミスを罵り合ったって、どうしようもないもんね。 案内板の責任にしちゃえば
     二人の間に険悪な空気は流れないし、むしろ、妙な連帯感が生まれるものよ(笑)
     そう、なにもかも、案内板の書き方が悪いから迷ったの。 決して、地図を忘れたにゃおたちの
     せいじゃないわ!!(爆)

     車は無事に広島方面の高速に乗った。  料金所が見えてくる。
     無人のゲートとETC専用のゲートと、人がいるゲート。 
     人がいるゲートがずいぶんと混んでいたので、主人は一番左端の無人ゲートに入った。
     ここでは、自分で現金かカードで支払うようになってるみたい。
     料金は200円。 にゃおは素早く後の座席から主人に200円を渡した。

     主人:「??? お金はどこに入れるんじゃ?」
     にゃお:「どこって、そこだよ。 ほら、オレンジ色の受け皿のようなものがあるじゃ」
     主人:「どこ?」
     にゃお:「そこってば!!  『ここにお金を入れてください』って書いてあるじゃん!!」
     主人:「??? わからん!!」
     にゃお:「そこだっちゅうの!! オレンジ色の物体が見えんの?(怒)」
     子供:「お父さん、オレンジのこーれ!!(子供が窓越しに指差す)」
     主人:「お?! これか!?(汗)」

     ところが、主人が少し車を前進させすぎて止めてたものだから、主人の位置からオレンジ色の
     物体にお金を入れようとしても手が届かないんだわ(汗)

     にゃお:「ちょっとバックしたら?」
     主人:「〜〜〜〜(必死に手を届かそうとしている)」
     にゃお:「その方が早いって!」
     子供:「バック、バック!!」
     主人:「〜〜〜〜〜!! もう、ええっ!!」

     主人はダッシュボードに置いてあったハイウェイカードを手にした。 
     カード挿入口に入れたはいいけど、ゲートが開かない。 あれ? って言いながら主人が
     もう一度カードを入れる。 だけど、どういうわけか、何度入れても、ちゃんとゲートが開かないまま
     カードが戻ってきちゃう。 「向きが違うんかな?」って、向きを変えて入れてもダメ。 
     もたもたしてる間に後にだんだん車が溜まってきた。 
     「なんでなんじゃあ? 腹立つぅ〜〜〜」と、主人も相当焦ってる。
     なんで入らないの? おかしいなぁ・・・  にゃおは覗き込むようにして反対側にある機械を見た。
     ん?  んん??  あれは・・・?

     カードの挿入口の上に、カードを入れる時は絵のない方(銀色側)を上にして入れてくれってな
     感じの説明がついているじゃない。  にゃおとほぼ同時に主人も気がついたのか、カードを
     裏返して入れた。 スルッとカードが入って出てきた後、ゲートが開いた。
     やたー やたー♪  やっと開いたよ。

     主人はものすごい勢いで車を発進させるとゲートを越えたすぐ向こうの、ちょっと広くなった場所に
     車を寄せた。 あとからあとから、にゃおたちの車の後ろでイライラとしながら待ってたであろう
     車たちが、にゃおたちの脇を通り過ぎて行く。

     主人:「恥ずかしいから先に行ってもらおうっとA^-^;)」
     にゃお:「焦ったぁ」
     主人:「それにしても腹立つのぅ。 普通、絵の方を上にして入れるよねぇ」
     にゃお:「うんうん」
     主人:「何度やってもダメなんじゃもん。 後に車は溜まるし、わしゃあ、焦ったよ」
     にゃお:「うん、焦ったねぇ。 後の車、なにやっとんじゃーって思ったろうね(苦笑)」
     主人:「そうよぉ。 今頃は、わしらの話で笑っとるよ(笑)」
     子供:「ああ〜 よかった。 もう、おうちに帰れないのかと思ったよ。 開いてよかったねぇ」

     子供の一言で、車内に笑いが湧いた。 
     ああ、行きはともかく、帰りも、この有様じゃねぇ。 だけど、もう大丈夫だよね。
     来た道を戻るだけだもの。 これ以上は・・・ ね?(~_~;)

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