それいけ、海へ! にゃお家の珍道中 その5
そのまま、赤いルートをまっすぐ走って行き、『南千田橋』を渡ってすぐを右折、『元安川』
沿いに走って行けばよかったのだ。
ところが、車が混んでいたせいで、主人ったら、横道に逸れて近道をしようと思ったらしい。
どこだかわからないけど、そこそこ大きな交差点を右折した。 おお〜 どこへ行くんだぁ?
主人:「橋ってのは海の方にあるわけだから、そっちに向かえば着くって(笑)」
そんなもんですかい。 にゃおは方向音痴だから、右や左がさっぱりわかんない。 ここはひとつ
おまかせするしかありませんな。
だけど、そのうち、なぜか、主人はまたしてもどこかの道を右折しちゃったのだ。
おい、それはおかしいんでないかい? だって右折して、また右折したら、180度回転した
ことになるじゃん。 それって元来た方向へ戻ってるってことじゃないの? さすがにそれくらいは
にゃおにもわかる。
前方に大きなトラックが走っている。
主人:「あのトラックについていけば、いいんだよ」
あの・・・? その根拠はなに?
にゃおは周りをキョロキョロしてみた。 なんか雰囲気が悪い。
その時、主人が、「あら〜〜〜〜(汗)」と言って、車の速度を落とした。
え? なになに? どうしたの?
前を見ると、さっきまでついてったトラックが止まっている。 その向こうには何やらゲートみたい
なのがある。 ゲートの上に文字が書いてあった。 はっきりとした記憶はないけど、なにかの
大規模な工事現場らしかった。 つまり、この道は行き止まりだってこと( ̄_ ̄♭)
主人:「よし、この道を左折だ!」
そう言って、すぐ目の前の道路を左にハンドルを切った。 と、同時にブレーキ。
主人:「ありゃ、道じゃなあんか(道じゃないのか)」
そこはほんのちょっと道のような部分があって、その先には鉄格子のついた門がある、何かの
工場だった。 いきなり車を突っ込んできたにゃおたちに遠くから敷地内にいる人たちの
視線が飛んできた。 やだ〜〜〜恥ずかしい!!(/o\*)
主人は車をそこでUターンさせた。 元来た道を戻りながら、「いや〜 焦ったぁ〜」なんて言ってる。
あのさ、これって、道に迷ってません? 地図見た方が早いんじゃ・・・?
にゃお:「ねぇ、地図で確認しようよ」
主人、助手席側のドアポケットに手をのばす(にゃおと子供は後ろのシートに座ってた)。
主人:「ありゃ〜 地図なんかないじゃ!!」
えええええ〜〜〜〜〜( ̄□ ̄;)!!
地図、車に乗せてる? って聞いたら、うんって言ったじゃんよ。 なんでだよ〜 前に今、車に
乗せてる地図がもう古くて使い物にならないからって、家の中にある最新版の地図を持って
いったじゃない。 だから、にゃおはまた新しく家の中用の地図を買ってきたのに!!
口先まで出かかったこの言葉。 にゃおはぐっと飲み込んだ。 ここで文句を言うのは簡単だけど
主人が不機嫌になるのは目に見えてる。 そうでなくても自分のミスだってわかってるだろうしね。
それにそばに子供がいる。 「海はまだなのぉ〜?」ってちょっと退屈そう。 これでケンカして
雰囲気を悪くしてもヤダもん。
主人:「ま、海方向を目指して行けば大丈夫だって」
にゃお:「・・・そだね(ひきつった笑い)」
この時、にゃおは、元の大きな道路(赤線の道路ね)に戻ればなんとかなると思ってた。
今の場所から考えたら、元の道に戻るためには左方向へ曲がる必要がある。
そうして車で走っていた時に、家並みの間から、乳白色に見える大きなアーチ型の
オブジェがついた橋が見えたの。
主人:「あれよ、あれ。 あの橋を渡るんよ。 あの橋を目指して行けばいいんだって」
嬉々とした声で主人が指をさす。 そうか。 あれね。 あの橋を目指せばいいのね。
にゃおにも、ほっと安堵の気持ち。 主人はまた、どこかの交差点を右折した。
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