それいけ、海へ! にゃお家の珍道中  その6

     「あの橋を目指せ!!」
     それを合言葉?にして車は右折したまま直進する。 このままだと海へ出ちゃうぞ。
     なんかちょっと違う気がするけど、いいのか?(いいわけないだろう)

     すると、はるか前方の道が途切れて、岸壁になっているのが見えた。 行き止まりだよ・・・(汗)

     主人:「あ”・・・ 行き止まりかぁ(-_-メ)(主人も気がついたらしい)」

     すっかり疲れて、けだるそうにしていた子供が「もう着いたのぉ?」と不満タラタラの声を出す。

     にゃお:「まだだってさぁ。 なんかねぇ。 道に迷ったんだって。 冒険しなきゃ」

     「冒険」という言葉は子供心をくすぐるのか、子供の目が急に輝き出し、身を乗り出して
     外を見た。 主人は次の道を左に折れた。 そのまま直進していくと、目の前に、さほど階数は
     ないけれど大きな建物が見えてきた。 すぐ手前の信号で止まった時によく見ると、
     『吉島病院』と書いてある。

     『吉島』?
     にゃおのかすかな記憶が頭に蘇る。 吉島ってさぁ・・・?

     ここで、また地図3を見てちょうだい。(あとで、もう一度、地図4を見てもらいたいから
     ウィンドウは閉じないでおいてね(*^-^*)) 
     黒色で丸く囲ってみたのだけど、広島の『太田川』河口付近っていうのは海辺がデルタ地形に
     なっているのよね。 まるでバナナの房を広げたような感じ。 吉島ってのは、そのバナナの
     房の一本にあたるわけ。 ちゅうことはよ、いくら海(南)に向かって走っても、やがては
     行き止まりになっちゃうんだよね(~_~;)

     だけど、この時はその地形がハッキリとしてなかったから(にゃお、地理苦手なんだもん)
     そこまでのことがわからなかった。  
     「こんなところに吉島病院なんちゅうものがあったんだねぇ。 割りと大きいねぇ」 なんてことを
     主人と話し、主人は信号が青になるとまたしても右折したのだった。
     もう一度、今度は地図4を見てね。 わかりづらいかもしれないけど、地図4の右下の方に
     『吉島病院』って書いてあるのがわかるかしら? にゃおたちはちょうど、その正面に
     来ていたのよ。 そこを右折するってことは海方向ってことになるでしょ? ダメじゃんA^-^;)

     もう、こうなると迷宮に迷い込んだようなもの。 さっさと大きな道か、元の道に戻ればいいのに、
     主人はまだ、なんとか近道をしようと考えてるみたい。 
     当たり前だけど、やっぱり岸壁に出ちゃって行き止まり。 そこを右折して進むと少し大きな道に
     出たので、そこをまた右折。 もう、にゃおの気分はハイになっちゃってたわよ。

     にゃお:「おもしろーい♪ 冒険だ、冒険だぁ(笑)」
     子供:「冒険、冒険♪」
     にゃお:「おもしろいねぇ。 こんなこと滅多にないよ。 こんなとこに来ることなんてないんだから」

     主人を非難したってどうしようもないし、現実に見たことのない場所を通るのって、ちょっとワクワク
     するし。 こうなったら「ドライブを楽しむ」しかないじゃん。 さすがの主人も体裁が悪いのか
     ニヤニヤしながら運転してる。

     さっき、通った交差点に出た。 そのまま、まっすぐ行けば、元の道に戻れたのに、またしても
     主人が、「ここを右に行ったら、病院のところへ出たんよねぇ」と言いながら右折した。
     おい!! もう、ええっちゅうの!! 
     さすがに、にゃおもこれには我慢できなくて、再び『吉島病院』の前まで来た時に、

     にゃお:「この信号をに曲がるんだよ。 !! だからね!!(怒)」

     と、声を大にしてしつこく言ってしまった(笑)
     ほどなく車は片側3車線もある大きな道路へ出た。 おお〜 これ、もしかして元の道路?
     ああ、やっと出たよ。 やっと出たぁ〜♪

     右折するとすぐに、さっき迷路の中で見えた、あのアーチ型のオブジェがついた橋が現れた。
     なんだよー この道をまっすぐ走ってればすぐだったんじゃんよー(~_~;)
     なにはともあれ、脱出できてよかったよ。 今度は『広島呉道路』に乗ればいいんだよね?

     時刻は10時半を過ぎていた。 家からここまで1時間近くかかってんのね。
     本当だったらとっくに『狩留賀』の近くに着いてたかも(苦笑)

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