みたらし団子

     ♪ 3つ並んでだんご 串にささってだんご しょうゆぬられてだんご だんご3兄弟 ♪

     数年前に爆発的なヒットを放った唄だ。 某国営放送の教育番組の中で歌われて、
     火がついた。 ブームまっさかりの時は、このだんご(みたらし団子)が飛ぶように売れたという。
     当時、3歳の子供も、この唄にハマり、一日中体をゆらして歌っていたものだ。

     にゃおは子供の頃、親に連れられてデパートに行くと、必ず「くるくる」を買ってもらっていた
     のだけど(「くるくる」については前ページをご覧ください)、それと同じくらい頻繁に買って
     もらったのが、この「みたらし団子」だった。
     デパートの地下には、いろんな食料品のテナントが入っている。 その一角に、だんごの店があった。
     売っているのは、主に和菓子。 饅頭などというものではなく、「おはぎ」「さくらもち」「かしわもち」
     などの生もの系を売っている店だった。 ガラスケースの中に、いつも、串に刺さったみたらし団子と
     あん団子が並んでいた。 これを5本くらい買ってもらう。 当時、串1本が50円かそこらだった
     ような記憶がある。 店員さんが竹の皮を模したような包みに、団子を入れてくれる。 その店の
     中に機械があって、そこで作っていたから、時には、まだホカホカとぬくもりのある団子が袋に
     入れられてにゃおに手渡される。 家に帰るまで大事に袋を下げて歩いた。

     一人でデパートまで行く頃になっても、家にいる母や妹へのお土産と称して、よく買って帰った。
     竹の皮を模した包みは、いつからか、味気ないプラスチックの容器になってしまったけど、
     それでも、醤油の効いた甘辛いタレの団子は美味しかった

     ある時、久しぶりに買って帰った団子を口にして、思わず、「なにこれ?!」と言葉が出た。
     なんと・・・みたらし団子が「甘い」のだ。 まるでお菓子みたい。 変だ。 タレが甘くなったのかな?
     にゃおはタレだけを舐めてみた。 確かに前よりも少し砂糖が多くなった気はするけど、顔を
     しかめるほどの問題はない。 それじゃ、団子の方?  にゃおはタレを極力取り除いて、白くなった
     団子だけをかじってみた。 
     「甘っ!!(>_<)」
     なんということ! 団子に砂糖が入ってるではないか!!  それまでの団子にはほとんど味が
     ついてなくて、タレの辛さで食べるという感じだった。 だけど、これはなに? 団子が甘いなんて・・・
     こんなの団子じゃないやい。 邪道だ、邪道!!
     母や妹も、その味の変ってしまった団子には、いい感想を持たなかった。 勿体無いからその時
     買った団子は食べたけど、二度とは食べたくないと思うほどだった。

     もしかしたら、あの店が味を替えただけなのかもしれない。 他の店のものなら、にゃおが
     好きだった、あの団子のままかもしれない。 そう考えて、にゃおはそれから、あちこちの
     みたらし団子を買ってみるようになった。 だけど、タレにそれほどの大差はないもの、なぜか
     どれも団子そのものが甘いのだった。 一体どうしたっていうんだろう。 なんでこんなことに
     なってしまったんだろう。 誰が団子に砂糖を入れて甘くすることに決めちゃったんだ!!
     腹が立つやら悔しいやら・・・ にゃおは、滅多に、みたらし団子を買わなくなった。

     その後、時々、思い出したように、もしかしたら団子に砂糖の入ってないみたらし団子かも
     しれないと、手を出してみたことがあったけど、ことごとく玉砕した。 どの店もハンで押した
     ように甘い団子なのだった。 もう、ダメだ。 あの時の美味しい団子は死んだんだ。 もう
     あの美味しかった団子には会えないんだ・・・ 今度こそ、にゃおは、みたらし団子を買うのを
     やめた。

     今では、にゃおが、みたらし団子を買うことはない。 だけど、時々、母が買ってみたり、
     子供が父親にせがんで買ってもらったりして、にゃおの目の前に登場することがある。
     どうせ、これも甘いんだろうな・・・と思いつつも口にしてみて、やっぱりガッカリする。

     誰か、団子の甘くない、みたらし団子を知りませんか? あの、昔なつかしの・・・

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