畦(あぜ)つけ準備

     にゃおんちの田んぼは上から見ると、変形した台形に近い形をしている。
     その一番長い辺に当たる部分は土畦(あぜ)なのだ。 この部分には毎年、畦つけを
     しなくちゃいけないんだね。 畦っていうのは田んぼの一番端っこのこと。 にゃおんちの
     田んぼは上下を休耕田で囲まれてるから、モグラが簡単に侵入してくる。 それだけだったら
     いいけど、にゃおんちの田んぼに穴を開けたままトンズラするから水漏れしちゃうのだ。
     モグラがやってこない田んぼなら、一度、畦をつけたら、毎年、畦つけをする必要はない
     らしい(主人談)  そんなわけで、毎年々、にゃお家の田んぼには新しい畦がつけられるのだ。

     さて、溝切りをしたからってすぐに畦がつけられるわけじゃないんだね。 畦をつける前に
     もう一仕事がある。 畦つけって簡単に言えば左官屋さんが壁を塗るような感じ。 当然
     壁塗りするためには、土を(左官屋さんの場合はコンクリなど)を水でこねる必要があるでしょ?
     その水を引く準備をしなくちゃね。 まさかホースで水を流し込みながらなんてことはできないもの。
     だけど、畦つけしたいところに効率よく水を引くためには、水路を作る必要があるわけ。 そこで
     主人が溝切りを終えた田んぼにトラクターで入って「溝付け」っていうのをするのだ。
     トラクターの後ろに溝切り専用のV字型の特別な器具を取り付けて、田んぼを耕すみたいに
     走ると、そのあとがV字型の深い溝になるの。  これを水のあて口から、畦をつけたい部分に
     向かってつけるわけ。 あと、にゃお家の田んぼは広いから、「しろかき」をする時のことも考えて
     何本か溝を掘っておくんだよ。 こうして、出来上がった溝に水を流し込むと、一筋の川のように
     なる。 水はゆっくり回りの土に染み込む。 そうしてタップリと水気を吸った土をこねて畦を
     つけるための土つくりをするのだ。 ポイントなのは溝に水を流してすぐには土をこねては
     いけないこと。 溝を掘ったばかりの土はサラサラしてて、水でこねてもトロトロになっちゃう。
     これじゃ、畦をつけようにも流れちゃってどうにもならない。 適度な硬さがなくちゃね。
     この硬さを出すためにも、しばらく土に水を染み込ませるっていう段階が要るんだって。
     面倒でやっかいな代物だねぇ(苦笑)

     それじゃ、無事に溝付けも終わったことだし、水を入れましょうか・・・ ん? んん〜〜〜?
     水がない・・・ いつもの時期ならもっと流れてるはずの水がない。 チロチロしかない。
     これじゃ、畦つけができるほど、水が入らないじゃないかぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!

     どうやら今年も前途多難なようで・・・(~_~;)

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