「溝切り」前の一仕事

     本当は、「ぎし」の草取りをする前には「溝切り」というものを済ませておかないといけない。
     「溝切り」って正式な言い方どうかはわかんないけど、田んぼのはしっこを、ぐるりと鍬やクワで
     溝を掘っていくことを指すみたい。 こうすることで、田んぼに水を入れた時に、速やかに
     田んぼ全体に水が行き渡るようにするんだって。 考えてみたらそうよね。 一ヶ所から末広がり
     みたいに水が入ったって、遠くの方や、隅の方までなかなか水は行き渡らないもんよ。 だけど
     回りをぐるりと水で囲んでおいて、そこから内側へ水が入っていけば、効率よく水がたまるもんね。
     これを先に済ませてから、ぎしの草取りをするのはいいんだけど、逆だと、いろいろ取った草が
     下に落ちてたりして、簡単に掘ることが出来なかったりするらしい(落ちた草がクワとかに
     絡むから)

     さて、毎年のように稲刈り後の田んぼのある一角には、キヌサヤの豆を植えることになっている。
     それは田んぼの端っこに一列に植えてあるから、当然、「溝切り」の時には邪魔になる。
     そこで、「溝切り」が近づいてきたら、なっているキヌサヤはみんな収穫しちゃって、その木を
     引き抜かないといけない。 しかも、キヌサヤってツルのように枝葉が伸びてて、乾くと
     枝が思った以上に硬くなっちゃう。 このままを田んぼに入れておくと、あとでトラクターで
     耕した時に、刃に絡まって作業能率が下がるのよ。 だから引き抜いたあとは、その枝葉を
     鎌で10センチの長さくらいに寸断していくの。 これがかなり厄介。 なってる時はたいして
     感じなかったキヌサヤの枝も、引き抜いてひとつの場所に集めてみると結構な量になる。 
     それを一本ずつ鎌でちょんちょん切ってくって時間がかかるんだなぁ。 同じ場所にたたずんで
     ひたすら、ちょんちょんしてる姿って、遠くから見たらなにやってんだろ?って思われそう(苦笑)
     いつもは主人と一緒にやるんだけど、今年は都合でにゃお一人きりの作業。
     時計を見たら2時間近くが経っていた。 う〜ん・・・ これは仕事の量が多いってよりは
     たぶんに要領が悪いって感じだわね( ̄_ ̄♭)

     さあて、これで一応、「溝切り」の準備はできたかな? 今度こそ、主人の出番よぉ〜

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