本格始動

     子供は初めての集団生活になかなか慣れることができなかった。 通常は一週間かニ週間弱で
     慣らし保育からフルタイム保育へ移行するようだったけど、にゃおの子供の場合は、最初の
     一週間だけでも9時前に送って行って、11時までにはお迎えという日が続いた。 給食を
     食べてから帰宅(約12時)するくらいにまでになって、ようやく、にゃおも庭の草取りなどが
     午前中にできるようになったわけ。 おお〜 わんだふる♪

     にゃおは、すぐ疲れるほうなので、お迎え時間の1時間前には外での仕事をやめて
     ひと休憩入れておかないと、しんどくなる。 だから送り届けて家に帰った9時過ぎから、
     すぐに着替えて草取りに出る。 もうすぐ5月。 田んぼも始まる季節になっていた。

     いつもなら5月の連休のどこかで田んぼの「ぎし(石垣)」の草取りを主人としてたのよ。
     だけど、今年は主人も仕事が忙しくて、休みの日も出勤してる有様だし、一日で草取りを
     終わらせようとすると2人がかりでも、最後の方は手抜きになっちゃう。 子供がいない時間が
     できたんだから、にゃお1人でやってみようかな? あんまり早く草取りをしてしまうと、肝心の
     しろかきの頃に、また草が生えてしまって二度手間になっちゃうけど。

     4月の最終週になって、にゃおは「ぎし」の草取りを始めた。 この頃には子供のお迎えの時間も
     15時を過ぎる時間あたりまで延びていたから、午前中はたっぷりと仕事ができるように
     なってたのよね。 だけど、完全には保育所の生活に慣れていない子供のこと。 いつ保育所から
     緊急の連絡があるかわからないでしょ?  そのために、にゃおは携帯電話を持つように
     なっていたので、携帯も持って仕事をすることになるのよ。 立ったり座ったり、かがんだり・・・ 
     汗もかくから携帯を身につけているのは難しいよね。 そこで専用の袋を用意して、その中に
     携帯を入れて田んぼへと持っていく。 ただし、携帯は精密機械。 春とはいえ、5月前の
     陽射しは、かなり暑い。 なんてったって紫外線量が一番多い時期だもん。 だから携帯を
     陽射しから守るために主人の黒い雨傘をさして地面に置いておき、その陰に携帯を入れた袋を
     置いたわけ。 これで音量を最大にセットしておけば、もし何かあって電話がかかってきても
     わかるもんね(^ ^;

     途中で雨が降るとか、買い物に出かけなくてはいけなくて草取りができないとかを考えても
     一週間のうちには済むだろうと考えてたんだわ。  でも、その計画はもろくも崩れちゃった。
     なんと生い茂った葉で陰になった石垣には、あちこちに「足長バチ」が巣を作ってたのよ。 
     まだ小さな巣だから一匹程度しかいなかったけど、これが厄介。 巣を落とさないとハチは
     また戻って巣作りの続きをしちゃうもんね。 でも巣を落とすためには、かなり接近しなくては
     いけない。 しかもうっかり刺激すれば、ハチの怒りを買って(当たり前だな)、攻撃されちゃう。

     にゃおは、十分に巣から距離を置いて、いつでも走って逃げられる体勢を作っておいてから
     まず、荒おこしして浮き出た、去年の稲の株のできるだけ大きいものを選んで手に持つと
     せぇの!!で、巣に向かって投げつけた。 上手く命中すれば、巣が落ちる。 落ちなくても
     ハチが驚いて逃げてくれれば、その隙に持っている鎌で巣を落とす。 ハチは巣がないので
     不思議そうにあたりを飛び回るけど、やがてはどこかへ去っていくの。 でもノーコンピッチャーの
     にゃおだから、上手く命中しないんだな、これが(苦笑)  オマケにビビリだから、ちょっと
     ハチがブンって飛んで来ると悲鳴もので逃げ出しちゃう。 最悪の時は15分以上も
     巣を落とすのにかかっちゃったりしたのだった(~_~;)

     あとから、よ〜く考えたら、そんな面倒なことをしないで、殺虫剤でシューってしちゃえばよかった
     んだけど、どうしても、いつも家を出る時に殺虫剤を持って出るのを忘れたし、取りに帰るのも
     面倒くさかった。 それにできれば殺生したくないなって気持ちもちょっとはあったかな。

     結局、合計12つにものぼるハチの巣のおかげで、最初の予定では草を取り終えるのが
     3回程度で済むはずだったのに、5回もかかってしまった。 でも遠くから眺めた長い「ぎし」は、
     草もなくてすごくキレイに見える(実際近づくと結構草があるんだけどね(・m・ )クス )
     よしよし、これでにゃおの最初の田んぼ仕事は終わりだぞ。 あとは主人次第だな。

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