異常気象

     2002年の農業の繁忙期は、まさに『異常気象』という言葉がピッタリの年だった。
     田植えの準備が本格化する5月頃から30度を越す真夏並みの暑さだったし、真夏の暑さも
     半端でなかった。連日、35度や36度に迫る日が続き、夜は28度を越す熱帯夜。 寝苦しさで
     十分な睡眠が得られず、疲れが取れない。 かと思えば、100ミリを有に越す豪雨が度々
     降ったりもした。
     暑さに水の心配をし、豪雨に水の心配をする。 なんとも厄介な年だった。

     そんな中、にゃおは初めての経験をする。
     最初はお盆前の墓掃除だった。
     山の中にあるから風があまり通らない。 その上、やぶ蚊の巣窟なので、どんなに暑くても
     長袖、長ズボン、帽子に軍手はかかせない。 支度をして車に乗り込むだけで、もう汗が
     したたるくらい。 そんな中で2時間程度の墓掃除(草刈り)は暑さと発汗に拍車をかける。
     草刈りは主に主人が機械を使って刈り、にゃおは鎌で墓の周りを手刈りするくらいなのに
     それでも、何時の間にか口を開けて息をするほどになっていた。
     農作業の間はほとんどと言っていいほど水分を取らないのに、この時は、あとで墓に
     かけようと持ってきた水を飲んでしまうくらいだった。

     ようやく作業が終わる。
     主人とにゃおは別々の車に乗ってきたので、先に主人が帰り、にゃおは後からゆっくりと
     帰り支度をした。 場所の関係で車を停めてあるのが墓場所から200メートルくらい
     坂を上がった所。 そこまで歩いていくのに体が重くてしかたない。 大きな息を吐きながら
     一歩一歩をやっと歩く感じ。 車に乗り込んでクーラーをかけて、少し汗の量が減る。
     家について車から降りたところで気分が悪くなった。 あー ヤバイぞ!!とその場に
     しゃがみこんで、しばらくじっと待つ。 ゆっくり息をして『波』が去るチャンスを待つ。
     『波』が引いた時を見計らって、よたつくように玄関へ歩き、すぐに服を脱ぐ。
     大きくゆっくり息をしながら、それに合わせて歩き、手を洗い、口の中をすすぐと
     少し楽になった。 何杯も水を飲んだあと、冷凍庫から保冷剤を取り出してタオルに巻くと
     横になって首筋にあてがう。 そのまま、疲労も手伝って、1時間くらい爆睡した。

     ゆっくりと意識が戻って目が覚める。 かなり気分はよくなってるようだ。

     ああ、これが熱中症ってやつかしらん・・・

     今までこんなことになったことがなかったからピンとこなかったけど、多分、そう。
     少なくとも、熱中症に片足を突っ込んだことは間違いなさそうだ。

     その後、午前中に1時間程度、除草剤の散布をした時も、同じような症状が出た。
     夕方にヒエ取りを1時間程度した時も、やっぱり似たような状態になった。
     こんなこと、今までなかったのに。 この程度の作業は今までに何度もやってるのに。
     一夏に3回もなるなんて、どういうこと???

     長期予報によると、世界的な海水温の上昇などが影響して、来年の夏も猛暑になる
     可能性が高いんだとか。 ぐえ〜 今年みたいなのが来年も?  やめてくれぇ〜〜(>_<)

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