畦(あぜ)修理

     石垣の下の溝堀りってやつは、例年、5月近くになってからするのだけど、今年は早く始動すると
     主人が言い出し、3月から取り掛かることになった。 いつもなら、石垣の下の土はそのまま
     田んぼの中央に向かって投げておく。 これだと、にゃお1人でも出来る。 でも今回は畦(あぜ)の
     修理にその土を利用したいから、ちょっと待てと主人に言われた。

     にゃおんちの田んぼ、ほんっとうに、よくモグラの襲撃に遭う。
     上と下の田んぼが休耕田になっててモグラの巣窟状態。 休耕田には雑草が生い茂り、ミミズも
     たくさんいるはずだから、十分そこだけでも豪華な食生活が送れるはずなのに、強欲なモグラどもは、
     にゃお家の田んぼにも進出するのだ。 おかげで、四六時中、モグラの穴との戦いを強いられ、
     敗北した日にゃ、大量の水と土が下の休耕田に流れ出る。
     このことによって、畦(あぜ)の中は空洞化して、だんだんと陥没したり、最悪の時には
     ごっそりと畦(あぜ)が崩れ落ちてしまうこともあるのよね。 何度か今までも空洞化した部分に
     土を入れたり、土嚢を積んだりしたけど、なにぶん、長い距離のある土畦(あぜ)。 全部を
     修理することは難しくて、あちこちが、かなり陥没して傾いてしまっていた。
     応急処置的に直すには、そこに土を盛るしかない。 土を盛って出来るだけ畦(あぜ)を平らに
     近い状態にしておくのだ。 そこで、石垣下を掘った土を利用しようってわけ。
     それで、溝掘りよりも先に畦(あぜ)修理に取り掛かることになったんだね。

     スコップで土を掘ると、ちょっと三角っぽい形に掘れる。 それをそのまま一輪車に乗せて運ぶ。
     今度はそれを形を崩さないように、高さのある方を外側にして置く。 こうするとちょうど
     陥没したところに厚い部分が乗って、手前には薄い部分が来るから、平らっぽくなるのだ。
     これを何度も何度も繰り返す。 ただ掘るだけでも、普段、鍛えてないにゃおはすぐに
     筋肉痛になってしまうのに、掘った土を一輪車に乗せて、運んで、また積んでという作業は
     その数倍も労力を必要とするから、もう大変。 おまけに掘った場所から、畦(あぜ)まで
     結構、距離があるから、腕は痛くなるわ、腰は痛いわ、足が痛いわ。 最後の方は、だんだんと
     握力がなくなってきて、思うように土が深く掘れないし、荒起こしした田んぼの中を重い土を乗せた
     一輪車を押すのも、なかなか思うように進まない。
     まだなの? ねぇ、まだ済まないの?
     心の中で半べそをかきながらも、やるしかない。 主人は男とは言え、にゃおよりも、もっと
     たくさん動いてるんだから文句も言えない。 でも、キツイ〜〜〜(T_T)

     ほぼ一日かかって、ようやく陥没して傾いた畦(あぜ)の部分に盛り土をして平らにすることができた。
     今年はこれで畦(あぜ)を歩くのもちょっとは楽になるね。 去年は、斜めになったようなところを
     歩かなくちゃいけないから、雨が降って足元が悪い時なんか、下に落っこちそうで怖かったもん。 
     最後の仕上げは、「竜のひげ」と呼ばれる植物を盛り土した部分に移植しておく。
     根をしっかりと張る、地下茎で増えるタイプのものだから、これを植えておくと、畦(あぜ)が
     崩れるのを防いでくれるのだ。 さぁ、上手く根付いてくれますように。
     田植えの時期までに、枯れたりしないで、しっかり育ってね。

     さて、この作業をした翌日から数日間、にゃおはまるでロボットのようでございましたとさ。
     (ひどい筋肉痛だったってことね(* ̄m ̄) プッ)

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