発つ鳥、あとを濁しまくり
７月に入ってすぐ、にゃお家の田んぼの下の休耕田に工事車両が入ってきた。
おや？と思っていると、どんどん、敷き詰めたアスファルトをはがしている。
どうやら、８月までの予定だった下水工事が早めに終わり、臨時駐車場にと借りていた
運送会社が撤収したらしい。 復元工事（元の休耕田の状態に戻す）をしているのだった。
やったー♪ よかったよ！！
駐車場になっていると、トラックが石垣ギリギリまでバック駐車して草が思うように刈れないし
水漏れしても、どこからかわかりにくいし、ゴミは散らかすし、夜は電灯の明かりに虫が
寄ってくるし・・・と、ひとつもいい事がなかったんだもんね。
それにしても・・・
ドガン、ドガン！！
アスファルトを砕くためにショベルカーが、スコップ部分を打ち付けるたびに、家まで振動が
伝わって来る。 ここでこれだけ感じるって事は、この振動で石垣が歪むんじゃないの？
主人もそれを心配して、廊下から外を眺めている。
「なんじゃ！ 当たっとるじゃ！！」
ショベルカーが石垣ギリギリのところのアスファルトを砕くために、スコップ部分を打ち付ける時、
どうも、柄の部分だか、どこだかが石垣に触れているらしい。 主人はすぐに外に出て、そばまで
行って見ていたけど、やがて、ショベルカーを止めさせてクレームをつけ始めた。
家にいるにゃおには、はっきり聞こえないけど、内容はだいたい想像できる。
家に帰って来た主人はカンカンだった。
「わし、そばで見てて、当たっとるのを見たけぇ、注意したのに、当たっとらんって言うもんなぁ」
んー まぁ、相手側としては、そう言うだろうな。
「くっそー また、当てとるぞ。 腹立つのう！！」
再び、廊下から工事の様子を眺めながら主人が苦々しげに言う。
そりゃあ、あの石垣ギリギリのところのアスファルトを石垣に当たらずに砕くってのは無理だよね。
手作業で掘り返さない限り。 でも、石垣に当てて、ひどく歪んだり崩れたりしたら大変なんだよなぁ。
夕方、工事車両が帰ったあと、主人とにゃおは休耕田に下りてみた。
もちろん、手にはカメラを持っている。
石垣を注意深く見てみると、どう考えても、今までへこんでいなかった場所がへこんでいたり
横に一筋、ひっかき傷のような痕が残っている所が何箇所もあった。 これは動かぬ証拠だ！
にゃおは写真を撮った。 本当はビデオカメラでもあればいいんだろうけど、そんな高級な
ものはないから写真を撮るしかない。
撮った写真はすぐに現像に出した。 主人は休耕田の持ち主に電話をして事の次第を話し、
誰が休耕田を臨時駐車場に貸してくれるよう頼んだのかを確認した。
にゃおたちは運送会社が頼んだのかと思っていたのだけど、なんと下水工事をする市が
休耕田の持ち主に貸してくれるよう依頼し、建設会社も市が頼んだ業者だという事がわかった。
翌日、主人は区役所に電話をした。
怒り心頭の主人。 電話では始めからケンカ腰。 すぐに復元工事をした会社の責任者と一緒に
見に来いと怒鳴りつけた。
やってきたのは、下水道課の役持ちの人と建設会社の専務と名乗る人物。
現場監督やショベルカーを操作した人間に聞いたけど、当てた事実はないと言い張る。
さらに怒りに拍車がかかった主人は写真を片手に、２人を田んぼへ連れて行った。
時折、聞こえてくる主人の声。
長い長い時間が経ち、主人が帰ってきた。
最初は会社側が５万程度の賠償金を払うと言ったそうだ。
一番問題なのは石垣を直すための時間と労力を無駄にしなければならないということなのだ。
お金の問題じゃない。 それに払ってもらったとしても、５万ぽっちじゃ、石垣は直せない。
結果的には、石垣修理は自分たち（にゃおたち）でするけど、ユンボなどの機械がないと
重い石垣は直せないので、その時はユンボのレンタル料を、会社が負担するという事で
決着がついたらしい。
そして、市には、会社に、その旨の念書を書かせて持って来るよう言いつけたようだ。
それでも主人の腹立ちは収まらない（あたりまえだ）
あーあ・・・
今回、歪められた石垣の一部は、３年前にユンボをレンタルして直した場所なのになぁ。
あの時、もう、ここは当分、直すことはないだろうと言ってたのに。
２年前の芸予地震（震度６弱だった）でも、歪まなかったのに。
もう、ヤダ・・・ (ノ＿＜。）
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