色白は誤解を招く

   にゃおは色が白い。 日焼けしても皮がペロッっとむけて元に戻る方なんだ。
   大抵初めて会う人なんかは「色が白いですねぇ〜」なんてお世辞を決まり文句のごとく言う。
   できれば、「美人ですねぇ〜」と言ってもらいたいけど、それを相手に言わせると
   脅迫罪になりかねないので我慢、がまん(笑)
   昔から「色白は七難隠す」と言うことわざがある。 色が白いというだけで、7つもの欠点を
   隠すことができるらしいが、色白が欠点を隠してくれたというこれといった出来事も無いから
   本当なのかはよくわかんないな。 もっとも7つも欠点があるってことの方が怖い気がするけど(笑)

   さて、農家において、色が白いということは致命的な欠点だということに最近気がついた。
            農作業=屋外の作業=日焼け=色が黒い
   この図式はほとんどの人が瞬時に頭に思い描くことなんじゃないかな?
   もちろん、これは当たってる。 どうしようもないことなんだ。 だからみんなバッチリお化粧したり
   帽子をかぶったりとなるべく日焼けをしないように工夫するんだよ。
   それはにゃおも同じこと。 色が白いってのは悪いことじゃない。 にゃおにとってはささやかな
   自慢のタネなんである。 だから外へ出る時は相当気をつかう。 日焼け止め度数の高いものを
   顔や手に塗りまくる。 どんなに暑くても長袖に長ズボンをはく。 首にはタオルを巻くし、帽子も
   つばの広いものを選んでかぶるようにしている。 唯一こだわるとしたら、その格好かな?
   みんなが想像するように一般的な農作業着(もんぺとか後ろに首までかくれるようなひれのついた
   帽子とか)は着ないのだ。 あれを着ちゃうと身も心も「農家のオバちゃん」になっちまうようで
   抵抗があるんだもん。 人様から見ればすでに立派なオバちゃんの一員かもしれないけど
   にゃお的にはまだまだ若い人の方に入っていたいの。 だから自分でその格好に抵抗がなくなるまでは
   絶対に着ないと心に誓ってあるのだ(笑)
   ちょっと横道にそれたけど・・・
   よくセールスマンがやってくる。 にゃおの家はボロっちいけど一応、蔵があって、納屋(駄屋とも言う)が
   ある。 庭先にはトラクターが置いてあるから一目みれば農業やってるってわかるんだね。
   だからそのへんを話のきっかけに持ち出すわけだ。
   「田んぼ作ってらっしゃるんですか? 大変ですねぇ」
   ここまではいい。
   「でも奥さんはなんも(何も)手伝ってんないんでしょう?(手伝わないんでしょう?)」
   カチン・・・ 笑顔の後ろでにゃおの血管が1本キレる。
   「だって、色が白いですもんねぇ。 ご両親が主にやってんです?(やるんですか?)」
   アホかお前は! 主人の両親なんかとっくの昔に亡くなっとんじゃい!
   そりゃあ、確かにあんまりやるとは言えないさ。 でも、でも何もしないってなんで決めつけんだよ。
   お前見たんか! これでもとりあえず、庭の草も取るし(めったにしないけど)、田んぼの作業も
   手伝うし(ちょっとだけど)、田んぼの水を入れる時は一日に何度も田んぼの見回りに行くんだい。
   知りもしないくせに、人をナマケモノみたいに言うな〜(結構ナマケモノだけど)

   知らない人がにゃおンちが田んぼを作ってるって言うと、大抵こういう物の言い方をするんだよね。
   その理由ってのが色が白いからなんだってさ。 まったく見かけで判断して欲しくないっちゅうの。
   ほんっとにさぁ〜 七難隠すどころじゃないよ。 災難ばっかじゃん。
   そんなことを思いながら、今日も日焼け止めをたっぷり塗るにゃおなのであった。

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