4つの別れ、3つの邂逅(斉藤ストーリー)第4章


父さんと「再会」する1ヶ月前。
俺は、一人の少女に告白された。
少し前なら、それまでの悲しみのせいで断っただろうが、
悲しみが薄れてきていた事もあり、
俺はその告白を受け入れた。

その少女は、俺と同じ施設にいた。
彼女はどじで、よく何も無いようなところでつまずいていた。

彼女の明るい性格は、両親を失って悲しむほかの子供の救いにもなった。

そんな彼女が、一度だけくらい顔をしていたのは、施設に来たその時だった。

もう、秋の終わり。
この街では、例年より少し早く雪が降り始めていた。
そんな頃施設にやってきた彼女は、すぐにほかの子供と打ち解けていた。
実際のところ、悔しかった。
先に来た自分よりも早く、ほかの子と打ち解けるなんて。

彼女の笑顔は、誰もを惹きつける力を持っていた。
当然俺も、その笑顔に惹かれていた。

その彼女の方から、俺に告白をしてきたのだ。
彼女はいう。
「もしかしたら、迷惑かもしれないけど・・・」
迷惑なわけはなかった。
今まで一度も、人を好きになったことなんて無かった。
その俺が、初めて好きになった女の子だった。

彼女とけんかをすることもよくあった。
彼女が「斉藤さんなんて、大っ嫌い!」
と言って走り去ろうとして、つまずく。
それを見た俺がその姿に大笑いして、彼女もそれにつられて笑う。
それで喧嘩は終わり。

初めて好きになったのも彼女。
初めてデートをしたのも彼女。
初めてキスをしたのも彼女だし、
俺が親以外に誕生日のプレゼントを買ったのも彼女が最初だった。

彼女は本当に色々なことを教えてくれた。
人を愛すること、相手に自分の気持ちが伝わること。
人を愛することで、自分がどれだけ幸せになれるか。

・・・そしてその人を失うことがどれだけ辛いか。

俺はいつも笑っていた。
彼女が横にいてくれることは、とてもうれしいことだった。
その時の支えは、彼女だけだった。

しかし、人生の中で、別れは必ずやってくる。
それは本当に唐突にやってきた。
2月14日。バレンタインデー。
その日俺は、初めて彼女からもらうチョコレートに感激していた。
それからは、いつもの時間。
いつものように、一緒に街に行って、
いつものように、街で軽食を取って、
いつものように、肩をならべて歩いて、
いつものように、世間話に花を咲かせて、
またいつものように、些細なことで口喧嘩。
いつものように、彼女が「斉藤さんなんて、大っ嫌い!」といって、
彼女は駆け出して、そしていつものように転んで。




・・・いつもと違うことは、そこに車が来たことだった。
車は俺が見ている前で、彼女の上を走り去った。

血に染まる道路。
彼女は動かない。
もはや彼女には光の欠片すら届かなかった。
俺は彼女を抱き起こす。
蒼白の顔。
明らかに彼女の命は燃え尽きていた。
それでも俺は、彼女を背負って病院まで走った。
病院に着く。
すぐに彼女は手術室に運ばれた。
医師達の懸命な作業。
俺は奇跡を願った。



その奇跡は、起こることはなかった。

安置室に横たわる彼女。
誰もいない。俺だけが彼女の横にいる。
布を取り、彼女の顔を見て、
その後俺は、別れのキスをした。

「2人とも、家族を失った傷と戦ってきたんだな。
俺もお前も、同じ境遇にいたんだよな。
でもお前は、辛いそぶり一つせずにいた。
俺もほかの子供達も、お前に救われたんだ。
お前はいつもどじなことばかりやって。
照れ隠しに笑う姿は、本当にかわいかった。
でも今日は、照れ隠しの笑いを見せてくれないんだな。
なぁ、これから先、俺はどうすればいいと思う?
俺が信じた人は、俺を裏切って去っていく。
俺が愛した人は、皆俺の前で死んでいく。
この傷は、父さん、母さんの傷と一緒に、
いつまでも、いつまでも残っているだろう。
その痛みを、どうすれば癒せると思う?
なぁ・・・」

彼女が笑っていったような気がした。
『簡単なことだよ。
悲しみ以上に幸せになればいい。
私はもうあなたを幸せにはできないけれど、
あなたはまだ、幸せになれる機会がある。
今度幸せにできる人が、あなたの目の前に現れたとき、
その時、私に起こらなかった奇跡が、きっと役に立つはずだから。』

気がつけば朝。
どうやら俺は眠ってしまったらしい。
この傷は、癒せないものかもしれないけれど、
今回だけは、できそうなことがある。
父さんが死んだときも、母さんと別れたときもできなかったこと。
俺はもう動くことの無い彼女に向かって、微笑みながら言った。

「さよなら。また次の世界で会いたいな。」

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中途半端な文章だなぁ。
また必要以上に長ったらしいし。
さて次回は、最後の別れですよ。
残る別れは、あれだけですね。
では、コメントがもらえるのを楽しみに、この辺で。

 

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