……眠いよ…。



すんごく眠いよ…。




昨日はあんまり眠れなかった…。

わたしはだるい体を起こしてカーテンを開ける。

眩しいぐらいの太陽が、わたしの部屋全体に入ってくる。

そんなのんびりとした時間を過ごしていると、外から祐一の声が聞こえてきた。

「おい!早く起きろよな。待ち合わせ時間に間に合わないぞ」

えっ?

わたしはたくさんある目覚し時計に目をやる。

『9時20分』

待ち合わせ時間は……。
9時30分に駅前…………。

わたしは飛び起きると同時にパジャマを脱ぎ捨て、急いで外いきの服に着替えた。
そして洗面台に行き髪の毛をとかした。
この間わずかに2分。

「おはよう祐一。さっ、走って行こう」
「…休みの日まで走ることになるとはな……」











駅前につくとすでに香里と北川君が来ていた。

「遅いわよ名雪」
「遅いぞ相沢」

「ごめん」

二人そろって謝る。

なんかわたし達って息がぴったり?

「さぁ、さっさと行こうぜ」

北川君の一言で私達は電車に乗りこんだ。








遊園地に着いた。
今日は日曜日ということもあり親子連れがたくさんいた。

「混んでるねー」
「そうね」

わたし達はチケットを買って中に入った。






気になる…。
なんか祐一と北川君が気になる…。

わたしの目の前を歩く祐一と北川君は、なにやらぼそぼそと話している。
それがわたしには気になってしょうがなかった。

「ねぇ、相沢君。二人でなにをこそこそしてるのよ」

香里も気になってたみたい。

「な、なんでもでーよ。なぁ、北川」
「おう。なんでもないぜ」

あやしいよー。
気になるよー。






















そんなこんなで日は落ちかけ、次に乗るので最後にしようということになった。
当然乗るのは観覧車。

「名雪。俺と一緒に乗ろうぜ」
「えっ?」

意外な祐一の誘いに戸惑ってしまった。

「嫌だったら四人で乗るけど…」
「ううん。嫌じゃないよ。一緒に乗ろう祐一」

そうしてわたしと祐一、香里と北川君の組み合わせで観覧車に乗りこんだ。



「わー高いねー」
「ああ、そうだな」

祐一はわたしの話を聞いているのか聞いていないのかわからない返答をしてきた。

「ねー。祐一聞いてるの?」
「ああ、聞いてるよ」

ほんとかなー…。

その時気が付いたこと…。
祐一の視線がわたしじゃなくて一つ後ろのに乗った香里達に向けられているってこと……。
いや、むしろ香里…?

「祐一なに見てるの?」
「え、いや、ちょっとな」

もしかして…。
祐一香里のことが好きなの…?
だから恥ずかしくてわたしと一緒に観覧車に乗ったの…?

観覧車が一周するまで、祐一は異様に香里達のことを気にしていた。

わたしは……。
そんな祐一を見ているのが辛かった……。











遊園地から出て家に帰る。

わたしは終始無言だった。
しゃべりたくなかった…。



そっか……。
祐一の好きな人は香里だったんだね…。
だから一緒に遊園地に行けたりしたんだね…。

運命で繋がってたのは、わたしじゃなくて香里だったのかな…。



なんかそれって…。
辛いな、わたし……。
























夕飯も食べずに自分の部屋に入る。

ベッドに飛びこむと目から熱いものが流れているのがわかった。



裏切られた自分…。
情けない自分…。
有頂天になってた自分…。

そんな自分が馬鹿みたいで……。








わたしの中のわたしが笑っているのがわかった。








わたしの願いとは違った世界が展開している。



わたしはこの感情を今ほど捨てたいと思ったことは無いんじゃないだろうか…。



なにもかもが白黒に見えた夜。



7年前と変わらない自分がそこに居た…。



ただ…傷つくだけの自分が………。




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