DXFデータとは?


DXFデータとは、有名なオートディスク社の開発したデータ様式です。
CADデータだ!との認識が強いと思いますが、厳密には少し違う…。
何故なら、”DXF”を日本語にすると、”図形交換ファイル”だからです。
(”図形交換ファイル”と、”CADデータ”は、本来の目的が異なる。)
元来、オートディスク社の製品(オートCAD)のCADデータは、”DWG”です。
よく分からない?そうでしょう?CADの世界は案外複雑な部分が有るのです。

世の中に、CADと名の付くソフトは、沢山(100や200じゃない?)有ります。
その殆どは、独自のデータ様式を持つ事で、他のCADとの差別化を図っています。
もし、私がCADを作ろう!と考えたなら、そのデータ様式を誰にも教えない…。
(中身を見られないように、特殊な様式やファイル編成を採用する。)
つまり、データ様式=CADのデータベースが分かれば、他の誰かが”マネ”をするからです。
(少なくとも、有償でCADソフトを売ろうとするなら、絶対にそうするでしょう?)

ところが、オートディスク社の方々は考えました。(ここから先は、想像ですが…)
世の中に、CADと名の付くソフトは、沢山有る。
その中で、”他社のCADデータを、共用出来るCAD”を作れば、売れるのでは?
でも、星の数ほど有る、他社のCADデータ全てに対応出来るCADは、作れそうもない。
…かと言って、自社のCADのデータ様式を公開すればマネをされる恐れがある。
そうだ!他社のCADがマネをしてくれるような、交換ファイル(DXF)を作ろう!

コロンブスの卵なのか、逆転の発想なのか…でも凄いですね。
自社のCADのデータ様式を作るだけでも大変なのに、交換ファイルまで作ったのです。
しかも、無償で交換ファイル(DXF)の様式を公開しました。
その様式は、誰にでも見れる?テキストファイルで出来ていたので、世界中が注目しました。
CADのデータをテキスト化すると、こんなに膨大な大きさ(量)になるの?
当初は、”これじゃ、ダメだ!”の声も有ったと思います。

でも現実には、異なるCADのデータ互換に、どのCADメーカーも苦慮していたようです。
CADユーザーからのデータ互換のニーズが、各社のCADを、その交換ファイル(DXF)に対応させた。
それと共に、オートディスク社のCADも、世界中に広まった…。

本当は、”隠す”という意図が無くても、CADのデータ様式は簡単には見えません。
(CADデータ自体が、膨大な大きさなので、データを圧縮するのが”良し”とされている。)
実際、G(ギガ)マシンと言われる現在のパソコンが出来たから、DXFデータも広まりました。
(一昔前は、膨大なDXFデータを何十枚ものFDに入れて納品するのが苦痛だった。)
今や、データ圧縮のソフトも無償配布される世の中です。
まさに、ハードの進歩を予見したかのような交換ファイルがDXFデータなのです。
でも、もし私自身がDXFを作ったのならば、無償公開した事を悔やんだかも…?
だって、とても良く出来ていると言うのか…順次ファイルで、ここまで出来るのか!の世界です。


もし、プログラミングを志す方が居られましたら、是非、DXFデータを勉強して下さい。
COBOLにも似たSECTION形式に、興味を持てると思います。






DXFデータに戻る メニューに戻る