これからの橋梁は、コスト重視のシンプル桁と美観重視の芸術桁に両極化します。
しかし従来の橋梁システムは、コストを重視すれば品質の維持が困難でした。
まさに、”作って見なけりゃ分からない!”部分が多く、生産性には問題が有るのです。
proBridgeは、生産設計から仮組みまでを網羅した、一貫システムです。
その中の自動計測・仮組立てシミュレーションシステムをpbfantomと言います。
一貫システムでは、データエントリーの良否が、工事全体の流れを決めます。
proBridgeの凄い部分・・・3次元モデリングの流れを紹介します。
尚、詳細については(株)CRCソリューションズ様のホームページ
http://www.crc.co.jp/ 又は、
http://www.civil-eye.com/ をご覧下さい。
1.線形定義
従来のバッチシステム同様、主要格点の座標を設定しキャンバーを付加します。
道路線形の特性さえ理解しておけば、当たり前の設定と感じられます。
賛否は別として、キャンバー図を即座に画面で評価出来るのは驚きです。
普通にファイル操作の出来る人なら、画面設定にとらわれない座標設定も可能。
今時、ライナー計算で作成されたデータを、手入力するようではダメですね。
線形において大切なことは、他の上位システムと連携がとれていること!!です。
案外、バッチの場合キャンバー図を”紙”に出力するのが面倒なのですが・・・。凄い!!
2.主構造定義
板厚、材質、孔径等の基本情報や、引き付け点、コーナー処理等の外形情報の設定。
パラメータに答える形式で設定を行いますが、コピー機能は重宝です。
(一般的な橋梁物件は、同じような構造が少しずつ異なることが特徴なのです。)
ありがたいのは、横桁のコーナー処理を実際の状態を見ながら設定出来ることです。
(横断勾配が変化すると、孔縁端がレベルか平行かは、いつも決断を要していました。)
橋全体の設定が終わらなくても、任意に画面検証出来るのは、バッチとの大きな違いです。
設定の途中でも詳細を検証出来る!!これが3次元原寸の醍醐味ですね。
3.継手及び補剛材の設定
グルーピング機能を使いこなせば、かなりの楽が出来そうなのですが・・・。
正直なところバッチに比べると、設定が困難だなと感じました。
(コピー機能も有るのですが、なにしろ補剛材は ”数”が多い。)
でも、横構ガセットの設定には、キラリと光る機能が有りました。
ブレースの引付けパターンで、システムがガセットの外形を提案してくれるのです。
V−st等も、圧縮・引張りで外形が決まるのだから、そんな提案を増やして欲しい。
下図の赤印部ガセット構造を、システムが提案してくれる。
オペレーターよりシステムの方が賢い?では、少し困るかも。
4.総括
添架物の設定は試用しませんでしたが、排水とスタッドを設定出来るようです。
出力はDXFとCSVがメイン・・・今時、CLにこだわる必要もないので当たり前。
むしろ、CSVに着目した開発者の姿勢に感激を覚えます。
(CSVの出力資料をカスタマイズ出来ないとしたら、それはユーザーの力量不足です。)
唯一、不充分と感じるのが、プロジェクト管理ファイルです。
開発者の方が優秀で、”ユーザーには、任せられない!”という気持ちが強かったようです。
多ユーザーにシステムを委ねる際は、多少はユーザー間の競争も必要だと感じました。
dxfは、両面罫書きを前提としているので、裏面が不要ならば使用しなければ良い。
proBridgeは、まだまだ成長するとのお話を聞きました。
実際その可能性を、”システムの強さ”という部分に感じました。
アボートしてもデータが壊れないし、再エントリーに無駄な制約がない。
極限状態で作業していても、付いて来てくれそうなシステム・・・です。
次回は、出力資料を検証出来たら紹介します。