proBridge(出力編)


データエントリー(入力)が素晴らしくても、問題はアウトプット(出力)ですね。
誰もが気になる事だけど、これを公開するとライバルに、”マネ”をされてしまいます。
(出力様式が固まれば、システム構築は案外容易に進むものですから…。)
ところが今回、新日本製鐵(株)様のご好意で、その出力資料を拝見させて頂けました。
(その素晴らしさの一端を紹介出来るのは、本当に有り難い事です。)
日本の橋梁製作技術が、これを契機に大きく向上することを願い紹介します。

(今回は、アウトプットの方法と出力資料のサンプルを拝見させて頂きました。
 自分の手で触らせて頂いたので、スループットやレスポンスも体験出来ました。)



1.出力分野
  ”一貫”と呼ばれるシステムは、下記の出力資料を満足する事が求められます。
  (1)データエントリー照査資料、及び、原寸検査報告資料
     @線形管理帳票、及び3次元座標データ
      完成時と製作時の縦断勾配、横断勾配、交角、転び、キャンバー等の”線形”情報。
     A主構造の照査資料
      格点間、パネル間、ブロック間、桁高、桁間、横断差等の”主構造”情報。
     Bボルト孔取り合い構造照査の資料
      添接板、V−st、ガセット、コネクションPL等の”孔明け”情報。
     C2次部材配置照査の資料
      H−st、V−st等の”配置”情報。
  (2)加工用データ、及び加工指示資料
     @罫書き・切断・孔明け・溶接データ
      工場内の工作機を制御するためのデータ。(DXFかCLが主流)
     A材料表
      加工系列、加工指示、加工特性を指示する資料。
     B部材配置図
      部材加工のデータと材料表の対応が、確実に把握出来る資料。
      (材料発注との連携に、各メーカーさんが苦労されています。)
  (3)組立て資料、及び製品検査資料。
     @組立て図
      各部材を、どの様に組み立てるかを指示する資料。
      (取付部材指示、溶接指示、取付角度指示等、生産ラインの効率化につながる資料。)
     A製作精度管理資料(組立て管理資料)
      組立て精度を管理するための資料。
     B製品検査資料(仮組み立て管理資料)
      現地架設前の製品検査に使用する資料。
      (最近は、コンピュータでのシュミレーションも増えました。)

  プロブリッジではこれらの要求を満足するために、13個のカテゴリが用意されています。




  その中の、”原寸資料”の項目だけでも以下の資料が用意されています。





  各々の”原寸資料”を要約したリストまで、Xセルデータで作成されています。








2.データエントリー照査資料、及び、原寸検査報告資料
  一貫システムの場合は、作成したモデルが正しければ、正しい資料が出力されます。
  極当り前の事を言うようですが、システムを使用しない原寸作業とは異なります。
  (CAD原寸では、常に、部材同士の”取合い”に神経を使うものです。)
  しかし、逆に、モデルに不備が有ると、出力される資料は、”全滅”の可能性も有ります。

  プロブリッジでは、それを防ぐためにデータエントリーの簡略化と逐次照査を用いています。
  そのためバッチシステムでの資料出力と比較すると、格段に正確な資料の出力が得られます。
  (計算が通らない!などという苦痛から、開放されるだけでも有り難い。)

  それでも、原寸が正しく行われたか?を証明する資料は別途必要です。
  (3次元モデルが正しいのだから正しい!では、施主に納得して頂けません。)
  原寸検査用の資料をモディファイして、最終照査にも役立てたい!
  プロブリッジでは、そのような発想が、随処に見られるようです。

  照査に使える資料=原寸検査資料。
  例)クロスセクション(横断)リストと断面図







  照査に使える資料=図面表記に近い資料。
  例)横構ガセット・ブレース






3.工場の加工設備に合った資料
  かつて、他の業界で”全てをNC化にする”方針を出した会社(製造業)が有りました。
  CADとCAMを運用している会社にだけ、仕事を依頼する…と言うことです。
  (バブルの頃はそれでも良かったのですが、その後、その会社は外資化されたようです。)
  聞こえは良いのですが、今考えると、それだけでは成立たない何かが有ったようです。
  (NC=全能=効率的……とばかりは、言えなかったのでは…??)

  プロブリッジの資料の良さは、”簡単なものは効率的に加工”という姿勢が見えるところです。
  具体的には、”一品図(スケッチ図)”を、”Xセルシート”で出力出来るのです。
  つまり、”一品図=手書き”という考え方を、”電子化=スループットの向上”に変えたのです。
  その事によるメリットは凄いです。
  (1)インターネットを使用すれば、WEBで世界中に発注が出来る。
  (2)FAXのような不鮮明な印刷に惑わされる事が無い。
  (3)変更の折込み・通知が迅速に行える。
  まさに、”夢を広げる”想いですね。

  NCがなくても加工出来る資料。
  例)矩形の添接板・水平補剛材







  生産性の管理は、物作りにおいて一番大切で、一番難しい事かも知れません。
  物作りは、その道具がNCであれハンマーであれ、”Simple is Best!”です。
  (時間チャージ数万円のCAMや工作機は、複雑な物を加工出来るから高価です。)
  出来れば、”季節が冬なら汗が出ていても暖房を入れる”ような事を、したくないのです。



4.仮組み検査までの一貫性
  一貫システムならば、絶対に欲しいのが仮組み立て資料です。
  (これが無いと、”橋”という単位での製品管理が難しい。)
  現在、プロブリッジでは”仮組み座標”をCSV出力する事で対応しています。




  これだけ有れば、仮組み立ての検査資料や工場内での製品管理資料作成も容易ですね。
  (表計算を手掛けている方ならば、自分で思い通りの資料に加工する事も簡単なのでは?)
  実際、箱桁の工事では工場内での組立てを管理する”組立てシート”は、実用化されています。
  また、仮組み立て時の寸法検査記録シートも、橋示方書に順じて出力されています。
  (次回、”組立て”と”検査”については、詳しく紹介する予定です。)


  ”こんな資料が有ったら、もっと工場での生産を効率化出来る!”
  そんな意見を集約して、皆でプロブリッジを充実させませんか?
  完成途上のシステムを、ここまで公開して頂いた想いに対して、皆さんのご意見を聞きたいです。
  皆さんの力を結集して、”日本の橋作り”を発展させたいと願います。

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