現在完了形
【現在完了形の前知識】
★ 現在完了形とは過去に起こった動作や状態が、なんらかの意味を持って、現在との
つながりを持っている事を表す文のことです。 図で表すと以下のような感じになります。
時の流れ ---------|----------------------------|---------→ 未来 過去←-----現在完了形------→現在 |
過去形は前に起こった、その時だけのことを表し、その後はどうなったのか・・・という部分にまで
話は及びません。 同じく、現在形も今現在のことを述べる形で、その前はどうだったのか、
これからどうなるのか・・・という内容は含んでいませんね。 つまり、過去形も現在形も
時の流れの線上で考えると、「点」の出来事ということになります。 それに比べて、現在完了形は
過去に起こった出来事が今現在まで続いているということを表す文ですから、「線」の出来事と
いうことになります。 この違いをはっきり頭に入れておきましょう。
★ 現在完了形の作り方(基本形)
have(has) + 過去分詞 〜
※ 現在完了形で使われる、have(has)は「持っている」などの意味がある一般動詞ではなく
それそのものの意味はない助動詞として使われていると考えます。 一般動詞のhave(has)と
区別がつかない・・・と悩む人は、その後ろにどんな単語が来るのかで、ある程度判断することが
できます。 一般動詞としてhave(has)が使われているとしたら、その後ろに過去分詞が来ると
いうことは、まずありません。
※ 上のhave(has)の区別をつけるためにも、過去分詞がどんなものなのかを再確認して
おきましょう( 受け身 のページを参考にしてください。 リンクで飛べます)。
★ 現在完了形には 「継続」 「完了・結果」 「経験」 の3種類があり、どのパターンの
完了形かによって、それぞれ、訳の仕方が違ってきます。
★ 現在完了形の文を疑問文、否定文にする場合、基本的に have(has)を文の前に出したり
have(has)に not をつければよいのです。 これは上でも出たように、完了形で使われる
have(has)は can と同じ助動詞の仲間だと考えるからですね。
それでは、具体的に、3つのパターンを詳しく見ていくことにしましょう。
〜〜〜 「継続」を表す現在完了形 〜〜〜 |
1.「継続」を表す現在完了形は、過去に起こった出来事が、今なお続いていて、恐らくこれから
先(未来)も続いていくであろう・・・という場合に使います。
2.「継続」を表す現在完了形では、have(has) + 過去分詞 の後ろに for や since を
よく使います。
3.「継続」を表す現在完了形の場合、
● for → 「〜の間(ずっと)〜している」
● since → 「〜以来(または、〜から)(ずっと)〜している」
と、進行形のように訳すのが特徴です。
※ 「ずっと」という部分が( ) でくくってあるのは、必ずしも、この部分を訳す必要がないからです。
「ずっと」という気持ちを込めて訳すとよいというくらいに考えてください。
※ since には「〜以来〜」「〜から〜」のような意味があります。 「〜から」という言葉を
聞いた時、from を使ってしまわないように気をつけましょう。 現在完了形では「〜から」
という訳の部分に from を使うことはありません。
4.for と since の使い分け
★ for → 後ろに期間を表す語句が続く時・・・ 英数字(a ・ two ・・・ )など
★ since → 後ろに過去のある時を表す語句が続く時・・・ last 〜 ・ then など
例 You have been in America for a year .
あなたは1年間(ずっと)アメリカにいます。
Have you been in America for a year ?
あなたは1年間アメリカにいるのですか?
Yes, I have . No, I haven't .
はい、います。 いいえ、いません。
You haven't been in America for a year .
あなたは1年間(ずっとは)アメリカにいませんでした。
Mayumi has studied English since last spring .
マユミは去年の春から(春以来ずっと)英語を勉強しています。
※ beenはbe動詞(is am are)の過去分詞、studiedはstudyの過去分詞です。 過去形の
studiedではないことを頭に入れておきましょう。
〜〜〜 「完了・結果」を表す現在完了形 〜〜〜 |
1.「完了・結果」を表す現在完了形は、過去のある時から続いていた動作や状況が終わった
ことを表す形です。
2.「完了・結果」を表す現在完了形では、肯定文では already ・ just 、 疑問文と否定文では
yet がよく使われます。 また、yet は疑問文で使われた場合と、否定文で使われた場合では
訳のし方が違うので注意が必要です。
3.「完了・結果」を表す現在完了形の場合、
● already → 「もう(すでに) 〜 してしまった」
● just → 「ちょうど 〜 したところだ(〜してしまった)」
● yet → 疑 「もう 〜 してしまったか」
否 「まだ 〜 していない」
と、過去形のように訳すのが特徴です。
4.already や just は have(has)と過去分詞の間に入れ、yet はいつも文尾につける
と、置く場所がある程度、決まっています。
例 I have already eaten lunch .
私はもう(すでに)お昼ご飯を食べてしまいました。
Mike has just written a letter .
マイクはちょうど手紙を書いたところです。
Have they finished their homework yet ?
彼らはもう宿題を済ませてしまいましたか?
My father hasn't read the newspaper yet .
私の父はまだ新聞を読んでいません。
※ eaten は eat 、 written は write の過去分詞です。 動詞の変化を確認しておきましょう。
※ finished は 過去形も過去分詞も同じ形をしていますから、区別がつけられるようにしましょう。
※ read は現在形、過去形、過去分詞がすべて同じ形をしている特殊な動詞です。
〜〜〜 「経験」を表す現在完了形 〜〜〜 |
1.「経験」を表す現在完了形は今までの経験を表す形です。
2.「経験」を表す現在完了形では、疑問文の場合には ever が、否定文では never が
よく使われます。
3.「経験」を表す現在完了形の場合、
● ever(疑問文で) → 「(今までに) 〜 したことがありますか」
● never(否定文で) → 「(今までに)一度も 〜 したことがない」
のように訳します。
《注意》
中学生の間は普通、ever は疑問文でしか使わないことがほとんどです。
肯定文で「今までに」という意味を使いたい時は、once(かつて・一度)を使うとよいでしょう。
4.その他、「経験」を表す現在完了形によく使われる語句の例をあげておきます。
● <数 + times > 「〜回 ・ 〜度」
● once 「一度 ・ かつて(=今までに)」
● twice 「二度 ・ 2回」
● before 「前に ・ 以前に」
● often 「しばしば ・ よく」 など
5.上で述べたそれぞれの語句は、ある程度、文の中での置く位置が決まっています。
英作文や、単語並べの場合にも必要ですから基本的な場所を覚えておきましょう。
★ ever(主に疑問文での場合) → 主語の次に置く
★ never(主に否定文での場合)、ever の代わりに使う once や often など
→ have(has)と過去分詞の間に置く
★ 「一度」の意味で使う once や twice ・ before ・ <数 + times >など
→ 文尾に置く
例 Has Fred ever seen pandas ?
フレッドは(今までに)パンダを見たことがありますか。
I have never climbed Mt.Fuji .
私は(今までに)一度も富士山に登ったことがありません。
My mother has watched this movie many times .
私の母は何度もこの映画を見たことがあります。
You have often made dinner .
あなたはよく夕食を作ります。
※ seen は see の過去分詞です。 climbed は climb 、watched は watch 、
made は make の過去分詞です。 過去形と同じ形をしていますから区別がつけられる
ようにしておきましょう。
《重要ポイント》
I have never climbed Mt.Fuji .
この英文を見て、「おや?」と思いませんでしたか? have と過去分詞(ここではclimbed)の
間に never が入っているので、「経験を表す現在完了形」だということがわかります。
けれど、上の説明では never は否定文の時に使うと書いてありますね。 この文では
haven’t となっていません。 なぜでしょう? それは、never という単語そのものに
すでに not の意味が含まれているからなのです。 それで、あらためて have に not を
つけていないわけです。 もし、うっかりと have に not をつけてしまうと、「登ったことが
ないことはない(=登ったことがある)」などと二重否定のような状態になってしまいます。
この部分は、しっかりと注意しましょう。
● 覚えておくと便利な現在完了形の決まり表現
★ have(has) been to 〜 「〜へ行ったことがある」 → 「経験」を表す
★ have(has) gone to 〜 「〜へ行ってしまった」 → 「結果」を表す
※ どちらも「〜」の部分には、場所(目的地)を表す語句が入ります。
※ have(has) been to 〜 には「行く」という訳がついていますが、”go” という単語が
使われていないことに注意しておきましょう。 逆を言えば、英作文をする時に、「行った
ことがある」と書いてあっても経験を表す現在完了形だと判断できた場合には go が
使えないということになりますね。
例 I have been to London once .
私は一度ロンドンに行ったことがあります。
My mother has gone to the department store .
母はデパートへ行ってしまいました。
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