畑異変

     にゃお家の敷地の中に、ちょっとした畑がある。  季節ごとに野菜を植える。
     地域や個々の人のやり方によって多少は違ってくるだろうけど、にゃお家の場合は毎年、
     4月の終わり近くにタマネギを収穫して、畑を耕して夏野菜を植える準備をする。
     5月に入ったら、トウモロコシ、トマト、キュウリなど夏野菜を植える。 お盆を過ぎた頃からは
     冬野菜の大根や白菜、ニンジン等々、7〜8種類の野菜を植える。 田んぼの稲刈りが終わり
     11月になるとタマネギの苗を植える。 そして、にゃお家に近い側の田んぼの畦(あぜ)際に
     キヌサヤを植えたりする。
     その他にジャガイモを植えることもあるし、畑に勝手に根付いてるイチゴが実ったりもする。
     案外と畑も1年を通して活躍してるんだなぁってことがわかるのよね(笑)
     結婚して初めての年なんか、畑に植えた大根やほうれん草、高菜などなど、どれもこれも
     よく育って、畑に溢れるほど。 当時2人だけのにゃお家では食べきれなくて、あちこちの人に
     分けたもんよ。 青首大根なんてにゃおのぶっとい太ももよりも太く成長しちゃったりして、
     妙に嬉しかったなぁ(≧∇≦)にゃっはっは♪

     この畑に異変が起きはじめたのは、あの1999年6月29日の土石流災害からだった。
     (これについてくわしく知りたい方はココからどうぞ。 リンクで飛べます)

     あの災害で、床下浸水ぎりぎりまで水が上がり、その時に一緒に流れて来た汚泥で
     庭中が埋め尽くされた。 水が引いた後、その汚泥は数センチもたい積していて、
     取り除くのに何年もかかった。 その汚泥のほとんどは乾くとパウダーのように粒子の細かな土。
     畑は地面より一段、高く作られて入るけど、当然、水に浸かったから多少なり汚泥が残って
     いたんだろうね。 その時、畑に出来ていた夏野菜は腐って全滅した。 気を取り直して植えた
     冬野菜も、上手く育たなかった。 災害の影響なんだねって話してその年はあきらめた。

     ところが、翌年から、畑での作物の出来具合が極端に悪くなってしまったのだ。
     土石流災害で畑が汚泥に浸かったから土の質が変わってしまったんだろうって
     ことで主人と石灰を撒いてみたり、油かすを入れて耕したりしてみたんだけど
     やっぱり結果は思わしくなかった。 加えて、この頃から夏が異常に暑く、少雨傾向に
     なった。 主人はどういうわけか、畑の作物に水をやらない主義の人。 他所のお宅が
     一生懸命、畑に水やりをしているというのに、「甘やかしたらダメ」なんて言って、ひたすら
     雨などの自然散水に頼っていた。 だから作物はその暑さに耐え切れず枯れてしまう。
     さらになんとか生き残って成長している作物には、テントウムシによく似た虫や、真っ黒い
     イモムシのような虫がついてあっという間に食い荒らしちゃう。 これも農薬を使わない
     主義だから防ぎようがない。 ネットなどをすればいいのだろうけど、そこまでして作る
     情熱は主人にはないみたい。

     結果、この年、夏野菜はひょろひょろのものがわずかに取れた程度、冬野菜に至っては
     背丈が5センチにも満たないうちに、枯れたり虫の餌食になっちまった。
     にゃおは農作業が好きじゃない。 できたら畑も田んぼもやりたくない(笑) だけど
     目の前にある畑の作物が次々にダメになっていく様を目の当たりにするのは、普段、畑の
     世話をするにゃおにもショックなことだったんだよね。 他所様の畑が青々としていろんな
     作物で賑わってるのに、にゃお家の畑は坊主状態。 いやになっちゃうなぁ。

     今年も、お盆過ぎに植えた冬野菜の成績が悪い。 大根や白菜は四葉程度で全滅
     季節が早いからもう一度、撒きなおしたけど、それも育たなかったり、ちょっとした大雨で
     みんな腐って溶けてしまった。 今年、元気に育ったのは春菊だけという情けなさ。
     一体、どうなってんだよぉ〜  
     それなりに草取りも、土寄せも、肥料やりもして世話してたのに、この仕打ちはないよぉ〜 

     ああ、それでも、もうすぐタマネギの苗を植えなくちゃ。 C= ( ̄ー ̄;;) ふぅ〜

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