コンバイン、様々

     いつもと同じようにモグラとの戦いに明け暮れながらも、なんとかこの年の収穫の時期を
     迎えることが出来た。

     にゃおんち、その昔、まだ主人の両親が健在だった頃は、稲刈りして、「はぜ掛け
     (刈った稲を木で組んだ竿のようなところにかけて天日干しする作業)」して、脱穀と全部を
     自分たちでしていた。 だけど、相次いで両親が亡くなってしまい、その後、稲刈り後の
     作業を手伝ってくれてた、亡くなった義母の姉弟筋にあたる叔父さんも、にゃおが結婚した
     年にガンで倒れ、あっけなく帰らぬ人になってしまったので、にゃおたちはトラクターや
     田植え機など、機械類を世話してもらう農機具販売店の担当の人に相談して、委託で
     稲刈りから、その後の脱穀、乾燥までを一手に引き受けてやってくれる人を見つけて
     もらった。 この時、初めて見たコンバインの作業能力に、にゃおは目を見張ったものだった。
     (この辺の詳しいお話はココからご覧ください)

     何年か、その人に稲刈りをしてもらっていたのだけど、この人の奥さんが、病気で亡くなった。
     その後もひとりで稲刈りを引き受けてくれてたのだけど、2年前、その人から「来年は
     引き受けたくない」と言われてしまった。 自身も田んぼを作っているし、姉弟の田んぼの
     稲刈りもあって、ご本人の体力的負担は相当なものだったらしい。 にゃおたちは再び
     販売店担当の人に新しい委託業者の人を紹介してもらうことになった。

     新しい委託業者の人が持っているコンバインは、それまでのコンバインと同じ袋をセットして
     モミを詰め込むタイプのものだったのだけど、この年、トラックから下ろされたコンバインを
     見て、にゃおは驚いた。
     あ・・・新しい?!( ̄□ ̄;)
     車体?はピカピカで座席にはビニールシートがかかったまま。 しかも上の方にニョキっと
     筒状のものが生えている。 あれって、もしかして、うわさの・・・?
     そう、それはこれまでの袋詰めコンバインが進化したもので、刈り取ったモミをコンバインの
     中に溜めておいて、満タン状態になったら、筒状のものから直接、トラックの荷台に入れ込む
     タイプのものだったのだ。 これなら、途中で度々、袋を取り替える必要もないし、あとで
     袋詰めされたモミを集めて回る事もない。 何が大変って、30キロ近いモミの袋を
     トラックに積み下ろしする作業が一番、大変なのだ。 田んぼから袋をトラックに積んで
     家に持って帰っておろす。 それを乾燥機に入れ、また30キロ毎に米袋に入れて
     トラックに積んでにゃお家に持ってきておろす。 最低でも4回、重い袋を上げ下げしなきゃ
     ならない。 これがとても腰を痛める。 年齢を重ねてきた人が農業をやめたり、委託を
     引き受けなくなるのもこれが原因のひとつになるのだ。 どんなに金をもらったって、こんな
     つらい作業なんかしてられっか!!ってなもんだ。 にゃおだってヤダイ!!(苦笑)

     新しいコンバインにしたのですねと水を向けてみると、オジサンは嬉しそうに機械をなでた。
     奥さんによるとオジサンも新しもの好きな方で、今回、労力の軽減を目的と言いながら
     買ってしまったんだとか。 オジサン、はっきりとは言わなかったけど、数百万するって
     言ったところを見ると、3〜400万はくだらないのではないかと思われた。 

     袋詰めするタイプのコンバインも見た時は、その仕事量のすごさに驚いたけど、このタイプは
     さらににゃおを驚愕させた。 同じ2条刈りだけど、途中での作業がほとんどなく、1反8畝の
     にゃお家の田んぼも2回のトラックへの入れ込みで済んでしまう容量。 なんと作業を開始して
     2時間くらいで終わってしまったのだ!!  旧式のコンバインの時は4時間くらいだったから
     半分に短縮された感じになる。 しかも始めからトラックにモミを入れ込むから撤収作業も
     早い。 2時間半もしないうちに、「それじゃ、明日、玄米にして持ってきます。 コンバインは
     あとで取りに来ますからしばらく置かせてください」と言って去っていってしまった。
     ・・・すご・・・ さすが最新式コンバイン。 値段通りの働きをするなぁ←妙な部分で感心(苦笑)

     帰っていくトラックを見送りながらふと、にゃおは思った。
     この数百万円もするというコンバイン。 元を取るために、稲刈り料を値上げするなんて
     言わないだろうなぁ(汗)  田んぼ1畝あたり、いくら・・・という計算で稲刈り料を
     払う契約になっているのだけど、この1畝あたりの基本料金を値上げされたら参っちゃう。
     そうでなくても、農家はお米だけでは食べて行けない世の中。 収穫できたお米を売った
     お金と、それまでにかかった費用を比べたら大赤字が出るんだもの。 これで値上げだと
     厳しすぎる。
     にゃおはコンバインを取りに再びオジサンが来た時に、さりげなくこの点を確認した。 幸い、
     稲刈り料は今まで通りということで一件落着。 にゃおは大きな安堵のため息をついたのだった。

     それにしても、コンバイン、すごいね。 ほんっとうにすごいね。
     ありがたいことだねぇ・・・ 来年もよろしく♪(でも値上げはしないでね(*^-^*))

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