被害甚大

     にゃお市では、近年、市の下水道完備率100%を目標に、いろんな関連工事が行われている。
     8年くらい前には、にゃお地区の県道の下に、大きな下水道管が配備されたらしい。
     『らしい』というのは、その工事をするための入り口から、トラックが出入りしたのを目撃したから。
     2キロ以上に及ぶ下水道管を県道の下に通すとなれば、相当の大工事なはず。
     始点から終点までの間、一度も地上に出ないまま、工事をするとなれば、地下を掘削機や
     トラックが自由に行き来できないと無理でしょう? 
     完成した時、中を地域住民に見学させてくれるという事だったのだけど、なんと、そのお知らせの
     回覧版が回ってきたのが、見学させてくれるという当日の午後だった。 
     見学は午前の10時から。 ダメじゃん。 もう、終わってるじゃん!!と悔しかった思い出がある。
     だって、見たかったんだもの。 そんな機会なんて、そうそうないでしょう?

     そうして大動脈が開通したあと、順次に細かな地域の下水道配備工事が行われてきた。
     この下水道配備工事が、自分の会社の前の道路に行われるということで、三度、
     あの運送会社が臨時駐車場として、にゃお家の下の休耕田を利用している。
     (詳しくは、2003年・悩みの種をご覧下さい。 リンクで飛べます)
     臨時駐車場として移動してきたのは、今年早々の事。
     まだ田んぼの準備すら始まらない時期ではあったけど、過去の2回の経験から、いろんな意味で
     厄介だなということは、わかっていた。

     トラックを止めるためにブルーシートが敷かれ、その上に砂利が置かれる。 そして、その上から
     アスファルトを敷く。 こうすることによって、休耕田に雑草がはびこるという事がなくなり
     毎年、除草剤をまかざるを得ないにゃお家にとっては、ちょっとしたメリットと言えた。
     けれど、それよりデメリットの方が、もっともっと多かった。

     運送会社の所有するトラックは、普通車が2台くらい悠々と積める長さがあった。
     それに加えて、トラック自体のヘッド部分の長さが加わるから、どのくらいの大きさか、大体見当が
     つくと思う。 そのトラックが駐車する時は、すぐに出られるようにバックの状態で止まる。
     つまり、にゃお家の田んぼの石垣に、おしりを向ける形だ。
     だが、この時、トラックは異常に石垣に接近して止まるのだ。 もう、ほとんど石垣にくっついて
     いると言ってもいい。 トラックとしては、ギリギリまでバックして止まる事で自分の前方の
     スペースがより広く空き、その部分を使って他のトラックが向きを変えたり車の積み下ろしを
     する作業が楽になるという考え方に違いない。 だけど、そうされると草刈り機で石垣の
     草刈りをすることが出来なくなってしまうのだ。 畦(あぜ)の上は問題なく刈れるとしても、
     石垣の端っこは、トラックがせり出すようになっているので刃が当たる可能性があって危ない。
     しかも、石垣そのものに生えた草は石垣の下に降りて刈るのだけど、トラックがそこまで後ろに
     下がっていたら機械で刈るどころか鎌で手刈りすることすら困難だ。 

     おまけにトラックの運転手が車を洗うのに、にゃお家の畦(あぜ)の上に上がって水をかける。
     そりゃあ、地上から水をかけたり、何か、脚立のようなものによじ登って洗うよりか、はるかに
     効率がいい。 だけど、毎回、同じような場所に止めて、同じように上がるせいなのか
     畦(あぜ)のあちこちが陥没したり、えぐれたようになってしまった。 普通に田んぼの時期に
     畦(あぜ)をつけておけば、稲刈りが終わり、農閑期になったって、そんなに畦(あぜ)が
     崩れたりしない。 第一、稲刈りが終われば、にゃおたちは田んぼの中を通って移動するから
     畦(あぜ)を歩くって事をする必要がない。 
     田んぼの準備が始まる前までは、まだ良しとしても、畦(あぜ)をつけるようになったら、
     その陥没やえぐれた部分は畦(あぜ)つけ作業の手間となってしまう。 その上、つけた
     畦(あぜ)の上に考え無しに上がられでもしたら・・・
     家から畦(あぜ)に上がって洗車をする姿を見るたびに、嫌な気持ちでいっぱいになった。

     さらに厄介なのはゴミ問題。 彼らがやってくるとすぐに駐車場はゴミだらけになるのだ。
     ほとんどがコンビニなどの弁当ゴミや缶ゴミ。 これは恐らく、運転手たちだけのゴミではない。
     トラックが出払っている時などは、関係ない、一般の車が入って休憩に使ったりする。
     その時にゴミを放置していくのだろう。 ゴミは、やがてカラスがつついてバラバラになったり
     風にあおられて四方に飛び散る。 軽いビニール袋は風に飛ばされて、にゃお家の田んぼに
     落ちてくる。 代掻きまでだったら、ゴミを拾う事もできるけど、一旦、水を入れたら
     田んぼの中に落ちたゴミを拾うのは難しい。 彼らも土地を借りている間に、1〜2回くらいは
     社員揃ってゴミ拾いだの、草刈りだのをやるようだけど、その程度じゃ、間に合うはずがない。
     土地を使用している以上は自分たちのゴミでなくても、きちんと拾って始末してくれるよう、
     過去の時も何度か苦情を申し入れたが、その都度、「わかりました」の返事だけで、実際に
     行われた事はない。
     
     最悪なのは、食べ物関係のゴミだけではないことだ。
     片方だけの、つっかけ、ゴム草履、雑誌、洗車に使うブラシ、車の部品とおぼしき金属。 
     果てはバンパーのような物体までが放置されている。 どう考えても、それは一般の人が
     捨てたというよりはトラックの運ちゃんたちが捨てたと考える方が正しいだろう。
     だって、それらはほとんど、石垣の際に捨てられているのだから。 一般のドライバーが
     捨てるのなら、そんな場所に入り込んでまで捨てない。
     見るに見かねてゴミを拾ってみると、大きなビニール袋3つ分くらいはすぐに一杯になって
     しまうのだ。

     ああ、イライラする。
     仕方ない事とは言え、彼らがやってくると最低だ。
     今までは長くても3ヶ月くらいまでだった。 今回は8月くらいまで。
     8月と言えば、稲の穂が出てくる時期までってこと。 
     田んぼの半分以上が終わる段階まで彼らは居座る計算だ。 
     今年の田んぼは、どうなるんだろう・・・

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