あれれ…^^;のインターネット原寸
一般に橋梁の主桁原寸は、”専用システム”が無いと出来ません。
(CADでは”キャンバー”の折り込みが、著しく困難…なのが原因です。)
そのため、FAB(ファブ)と呼ばれる橋梁メーカーでは、
独自に開発した”専用システム”を使って”主桁の原寸”を行います。
しかし、H−stやV−st、添接板と呼ばれる”2次部材”は、その限りでは有りません。
専用システムが無くても、手書きのスケッチ図さえ作れれば、後は切断工場がなんとかする。
それが当たり前だし、それが悪いわけでも有りません。
それなのに、”小物のDXFデータ”が有って不都合だという話も有りません。
実際には、切断工場では”ネスティング”という作業が有ります。
全体を考えれば2次部材のCADデータが有れば効率的なのに、それを”必要”としないのは、
CADデータ作成が容易では無い(効率的では無い)からだと思います。
簡単なCAD操作で小物データが作れるのなら、皆が使うと思います。
どこまで簡単なら本当に簡単なのか?は議論も有ると思いますが、
ここでは”単純な小物”をインターネットで簡単に作れるプログラムを公開します。
小物部材の原寸
オートCAD(LT)の”スクリプト処理”を利用した原寸です。
幅、長さとコーナー処理を入力して”計算実行”ボタンを押すだけで、
オートCAD(LT)のコマンド・スクリプトが作れます。
手順1:”小物部材の原寸”ページを表示する。
(別ウィンドウが開いて表示されます。)
手順2:”小物部材の原寸”ページ右上の”幅、長さ”欄に入力を行う。
手順3:同様に”四隅のコーナー処理”欄に入力を行う。
(コーナーR、コーナーカット、コーナー処理無しも選択する。
”無し”を選択すると、コーナー処理の数値は無視されます。)
手順4:必要ならば、”部材名、板厚、材質、員数”欄も入力を行う。
手順5:”計算実行”ボタンをクリックする。
手順6:オートCAD(LT)を起動して、”コマンド: ”欄で、
マウスの右クリック”貼り付け”を行う。
(コピー作業は必要有りません…プログラム内で処理しているので。)
これだけの処理で、単純なH−stやV−stのCADデータが作れます。
H−stの例:
幅:120、長さ:1000、C1:100(コーナーカット選択)
C2:100(コーナーカット選択)、C3(無しを選択)、C4(無しを選択)
V−stの例:
幅:120、長さ:1000、C1:35(コーナーR選択)
C2:35(コーナーR選択)、C3(無しを選択)、C4(無しを選択)
(せめて添接板くらいは作れないと、印象は薄いかも知れませんね…^^;)
使用上の注意:
@計算実行後にマウス右クリックでドラック・コピー処理を行わないで下さい。
(クリップボード内の値が壊れてしまいます。)
A作画原点はCADの原点(0,0)の位置に固定されています。
(連続で作業を行う際は、作画した図を移動させて下さい。)
BJAVAスクリプトとフレームを使用しています。
(動かないのではなく、動かせないパソコンも有るので、ご理解下さい。)
Cバグフィックスは不充分なので、適切なデータ入力を行って下さい。
(幅100に部材に1000R…とか、設定しないで下さい。)
D普通の方法で”ソースプログラム”は、見えないはずです。
非売品なので、純粋な”勉強”のために使って下さい。
(ソースの無償配布は可能ですが、”冷やかし”は、ご遠慮願います。)
スクリプト処理の理屈は簡単なので”理屈倉庫”の
”オートCADのスクリプト処理”
を読めば理解出来ると思います。
(”コマンド: ”欄の使い方も解説しています。)
実際には、インターネットを使って…という部分が難しいのですが、
クリップボード機能(コピー・貼り付け)を使えば、FTPを使わずに済みそうです。
(もっとも最低限、”JAVAスクリプト”を使わないと、論理演算すら出来ませんが…。)
”オートCADのスクリプト処理”は簡単で強力です。
推し進めれば、ダイヤや横リブ、添接板の作成も出来ます。
(インターネット対応版は作っていませんが、
実際、VB版では”DXFへの直接出力”が可能でした。
勿論、縦横断の変化にも対応出来るようです。)
行く行くは”ソールPL”とか”リングPLの展開”とかにも応用出来そうですが、
原寸をこなしながら、私一人で全てに対応するのは、難しいみたいです。
皆さんと共に、”インターネット原寸”の可能性を高めていけたら、
後世への”日本の橋作り”継承だけでも、”楽”になると思いませんか?
(個人の”ツール原寸”…に頼るだけでは、生き残ることさえ難しい時代です…。)
是非一度使って頂いて、ご意見を頂けたら幸いです。
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