橋は、木、石、鉄、コンクリートなど、色々な材料で造られます。
昔から木や石で造った橋は、歴史の教科書で見かけますね。
現在、日本で”……橋”と名のつく橋の材料は、鉄とコンクリートが主流です。
橋を支える部分が、鉄で出来た橋を”鋼橋”、
コンクリートで出来た橋を”PC橋”と区別しています。
(橋の上を車が走れば”道路橋”、列車が走れば”鉄道橋”です。
ちなみに、人が通れば…”歩道橋”又は”人道橋”といいます。)
”鋼橋”と”PC橋”では、同じ橋でも、製作方法も橋梁メーカーも違います。
どちらも一長一短が有るので、”何故、おらが街の橋はコンクリートなの?”
という質問には簡単には答えられないので、PC橋と鋼橋の違いを解説します。
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橋梁製作の流れ
1.PC橋とは?
PC橋(プレストレスコンクリート橋)は、コンクリートを圧縮して造ります。
(マージャン牌も重ねる時に、バラバラであるはずの牌が崩れない原理だそうです。)
歴史的には、鋼橋よりは新しい技術とされていますが、コスト面では優れているそうです。
その反面、長大スパンの橋や現地架設条件で劣る面が有るようです。
公共事業費や技術革新が問題視される現在においては、”将来性の有る橋”と言われてます。
(現実に、子会社がPCで有望視されているのに、メタルの親会社は・・・という話も耳にします。)
鋼橋製作に携わる者(私を含めて)にとっては、脅威なのですが、PC橋が有って鋼橋も進歩します。
現時点では、”よきライバル”なのだ・・・、と信じたいです。
2.鋼橋とは?
鋼橋は、RC床版橋と鋼床版橋に大別されます。
どちらも、骨組みは、鉄板を溶接して、ボルトで繋ぎ合わせて造りますが、道の部分が違います。
RC床版は、鉄板の上に、鉄筋コンクリートで道路枠を作ってアスファルト舗装をします。
鋼床版は、鉄板の上にそのままアスファルト舗装をします。
言うまでも無く、鋼床版の方が現地架設で有利です。
しかし、工場での製作においては、RCが早い(安い)。
何事も一長一短・・・なのですが、前述のPCの問題もあり、更なる技術革新は進んでいます。
(物騒な話ですが、戦時下においては、安い高いは問題じゃない。
壊れた橋を、いかに早く復旧出来るか・・・だけが問題だそうです。)
色々な考え方は有るわけですが、個人的には、鋼橋が好きですね。
俗に、木造橋の方が、石積み橋より好きですね。
バラエティーに富んでいるというのか・・・PC橋のスマートな容貌は好きですが・・・。
まあ、個人の好みなんてどうでもいいことで、木と鉄を組み合わせた橋も有ります。
途中までPC橋で、途中から鋼橋・・・という橋も有るようです。
出来れば、共存共栄で、日本の橋梁技術が進歩することを願いたいものです。