2次部材の作成


スコップとツルハシ・・・これを紙と鉛筆に置き換えたのが2次部材の作成です。
文字通り2次部材は、主材(1次部材?)の大きさで決まる、付帯的な部材です。
主材の強度を補ったり、作業性を良くしたり、美観を高めたりする目的で作成されます。
主材の大きさが分かり、図面が読めれば、後は紙と鉛筆だけで部材作成の指示が出来ます。
勿論、紙で切断指示を行うわけですから、鉄板を切る人は、スイッチ一つで・・・にはなりません。
だけど、通常、小数点が要らない精度での作成が可能な分、選択肢は豊富です。
CADでNCデータにするも良し、切断する人が、手でマーキング切断するも良し・・・なのです。
だからと言って、やはり、人が作る以上、お腹が空くのに変わりはないです。
かかった時間と引き換えに、報酬は欲しいものですね。




今時、橋梁製作にCADを使用しないことは、非常に難しいことです。
それでも、CAD無し業者が生き残れるのは、加工に関するノウハウの蓄積が有るからです。
いかに精度の良い切断データを作れても、実際の、加工は別問題です。
ノウハウは、勘と経験に帰するところが多いため、システム化が困難な分野です。
図面通りのものを作ること・・・これは、システム全盛の今でも、簡単ではないようです。

2次部材を堅実に作ることが出来るか?・・・これは、ノウハウの有無を測るポイントです。
2次部材といえども、完全溶け込み溶接の必要なものも有ります。
開先面一つ取り間違えても、現場の負担は大きく違います。
溶接した箇所のX線写真を撮って、欠陥の有無を検査する義務も有ります。
工場内での加工だけではなく、現地での架設のことも考慮しておかないと、大変な事になります。
現地での不都合・・・それは、2次部材であっても、大問題なのです。


たかが2次部材・・・だけど、人間の手で持ってみると、結構、重いのです。
たった一枚の2次部材を持って、30メートルの橋脚を登る・・・現実に有るのです。
きれいな橋・・・だけどその製作には、命がけのドラマも有るのです。
今でも大きな橋を造ると、けが人や時に死ぬ人が出ます。
たかが2次部材・・・それでも人の命に関わる部材・・・なのです。
そんな部材の作成を、簡単だから…とは言い切れないと思うのですが…。

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