NCデータの作成


NC工作機は、これでも、結構手ごわいです。
パターンに、はまれば成果は期待出来ますが、生みの苦しさは痛みを伴います。
なにしろ、機械の気持ちなんて、理解出来るはずがないのです。
間違った指示をすれば、正確に間違えてくれます。(0.1ミリの狂いも無く、間違えます)
全ての責任は、データ作成者の双肩にかかっているわけで・・・責任重大です。


NC罫書き、切断データは、通常、一体で作られます。
現在、主流のNC切断機は、罫書きを行ってから切断する、マルチ機能を持つからです。
切断方法は、ガス火力による切断と、電気の圧力による切断が主流です。
話題になっているのは、レーザー光線による切断ですが、橋梁では、主流でないです。
なにしろ、ただでさえ橋梁に使用される鉄板の厚さが、大きくなる傾向にあるのです。
”切れる厚みに制限が有る”のは、どう考えても致命傷なのです。
熱を与えれば、鉄板は切れる・・・と信じている方は多いと思います。
勿論、熱は必要なのですが・・・精度の良い切り口を得るためには、ノウハウが必要です。


NC孔明けデータは、文字通り、”孔”のある位置(相対座標)を示すデータです。
橋梁では、24.5φと26.5φが主流で、その他の孔明けは、NCを使わないようです。
孔明けは”ドリル(キリ)”を使用しますが、木に孔を明ける”キリ”とは、随分違います。
鉄板に孔を明ける”キリ”は、以外に、作れないものです。
これもまた、日本の製造業のノウハウが、可能にしています。


溶接ロボット用のNCデータは、この10年程度で、急速に主流になりました。
片手に鉄火面、片手に溶接棒・・・町工場では当たり前の風景が、NC化されているのです。
今は、まだ、その設定やデータ作成は”簡単”ではないですが、その仕上がりは、見事です。
溶接のノウハウを機械が蓄積し、実績を残す・・・。
ある意味、寂しい気持ちもありますが、すばらしいです。
少なくとも、”溶接”に限れば、人体に、悪影響が有ります。
人間はガスマスクをしてそれを防ぎますが、機械がやれば影響は少ないです。
当たり前の事が当たり前に出来たとき、技術の進歩が有ると思います。

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