橋梁原寸のノウハウ

項目 照査項目 考慮すべき点 対策・注意事項
路面計画高座標 座標数値 歩道・地覆・ハンチ等の考慮が困難 フランジ上面又はウェブ上縁の座標を使用する
路面計画高座標 添架物のレベル 排水桝位置等は路面高から押えてある ウェブ上縁までの差を把握して作業する
測量系座標(大座標) Y座標の符号 数学系座標(小座標)と勘違いを起し易い Y座標の符号を反転させる
測量系座標(大座標) 数値の大きさ 小座標より4桁前後大きな値で表現される 相対値に編集してから作業する
キャンバー キャンバー位置 一般に桁高のCLが多い 桁高変化時はウェブの上縁・下縁から一定値
キャンバー キャンバー量 全死荷重が製作キャンバーとは限らない 後架設・拡幅工事は充分に検討する
キャンバー 鋼重によるたわみ 一般に鋼床版では比率が大きい 鋼床版では全死荷重の6割前後
キャンバー 床版によるたわみ 一般にRC床版での比率が大きい 全死荷重の6割前後
キャンバー キャンバー折れ 横梁剛結構造時は必要あり 仕口の根元に設定するのが容易
縦断折れ 横構ガセット 一般に格点部ガセットは折れが発生する ブレース材がナックルに干渉しないよう調整する
縦断折れ ハンチ桁 ハンチ構造の桁は縦断折れではない ウェブ上縁の折れは縦断折れ処理する
フランジの内逃げ 主桁ウェブ・縦リブ 板厚変化部にテーパーが発生する 板厚テーパーにより材料幅も変化する
フランジの内逃げ 断面部材の引き付け 寸法の押え位置は明記がない 寸法値の意図を理解する
フランジの内逃げ 水平補構材・拘束材 フランジ厚が変化すればウェブ高も変化する フランジ厚を含む0.2Hを打診する
フランジの内逃げ 開口位置 開口高さは添架物図面を基準に決める 添架物配置図を照査してから開口を設ける
払い込み H−st用切り欠き 一般に切り欠き位置の図面指示はない 払い込み側にH−stが有れば切り欠く
払い込み 横桁・対傾構 一般に内側から、広い方から払い込む キープランに明記する
払い込み 同一断面に仕口 仕口ウェブ芯が格点なのでV−stがずれる 横構ブレースは格点に引き付ける
払い込み スキュー部ボルト孔 V−st上と本体上ではスキュー分ずれる 図面は格点上の押えなのでズレを考慮する
スキュー桁 BOX構造ウェブ 支点部キャンバーはゼロに擦り付け必要 キャンバー設定によってはウェブが変形する
スキュー桁 鈑桁フランジ 上は全幅スキュー、下は半幅スキュー 上縁側はグラインダー仕上げ必要
引張り・圧縮 V−stの溶接 下縁側引張り部はV−st下面の溶接なし 上縁側引っ張り部のV−st上縁は溶接必要
引張り・圧縮 H−stの配置 圧縮側に配置する 中間支点部は下縁側が圧縮
合成桁 主桁フランジ 上フランジは下フランジよりも板厚が薄い RC床版で強度を保つ
合成桁 床版との連結 スタッドで剛結させる 非合成桁はスラブアンカーで床版のズレを防ぐ
桁高変化 ウェブの上下縁 格点以外の座標が無い 曲線処理になるので目視が重要
桁高変化 縦リブの側面サグ ブロックで10ミリ以上出れば対策必要 主桁ウェブで照査する
桁高変化 縦リブの端部 鉛直か直角か判断が必要 5ミリ程度出れば鉛直
平面線形 曲線桁 70mR以下になるとH−stのサグが大きい 曲線のきついところで照査する
平面線形 曲線桁 箱CLがダイヤフラムの1/2とは限らない ソールPL取り付け位置寸法は照査必要
平面線形 バチ桁 桁端の払い込みに問題が出る 地組後架設等の処理必要
隅角部の処理 ボルト種別 機械締めが困難な場合が多い 手締め用のボルトを使用
隅角部の処理 溶接方法 完全溶け込み部のハツリが困難 ハツリ面・溶接要領の変更
密閉構造 桁端部ダイヤフラム 一般に密閉構造 スカラップの埋め戻し要否を把握する
密閉構造 Uリブの止まり Uリブをパネル溶接後に横リブを立てる 横リブは片面溶接出来るよう調整する
密閉構造 Uリブのハンドホール 箱外の添接部はカバーで密閉する 一般に箱内は密閉しない
密閉構造 現地溶接部ウェブ ジョイント部の切り欠きはフタが必要 取り付け面を充分に把握する
完全溶け込み溶接 支点部ダイヤフラム ソールPL上は完全溶け込み溶接 範囲確認と溶接可能かの照査必要
完全溶け込み溶接 仕口フランジ 一般に本体との溶接は完全溶け込み溶接 仕口の裏側も溶接要領を把握する
完全溶け込み溶接 主材の板継部 板厚差テーパーと開先の方向 サーピン加工は切断順序を把握する
完全溶け込み溶接 コーナー部 一般に埋め戻し処理が必要 コーナーCかコーナーRか判断必要
形鋼 対傾構ガセット CT自体の断面Rは考慮されていない フランジ厚+断面Rをかわすように調整する
形鋼 ビルト形鋼 溶接時の端巻きを両端に10ミリ取る ウェブはフランジよりも20ミリ短くなる
現地溶接 開先方向 溶接作業は下向きで行うのが容易 溶接詳細図の作成を行う
現地溶接 溶接による縮み 一般にキャンバーに付加後、部材も延ばす 施工基準書に明記する
現地溶接 ウェブの切り欠き フランジ溶接用の切り欠きが必要 溶接詳細図の作成を行う
現地溶接 拘束材 拘束材の要領決定は遅い 溶接詳細図に保留等の明記を行う
現地溶接 下フランジ付き縦リブ 一般にジョイントから100ミリ程度控える 縦リブ添接要領を図面に明記する
施工延ばし 幅員確保 完成時に全幅で+6ミリ程度 座標折り込みか施工延ばしか明確にする
施工延ばし ニーブレス ニーブレスウェブは溶接時にソリが発生する ブラケットも同様な解釈が有るので考慮する
干渉 H−st用切り欠き 横桁・対傾構の孔ピッチとの干渉 孔縁端40を保てるように調整する
干渉 ハンドホール ジョイント部添接板との干渉 添接板の最大幅を把握する
干渉 横構ガセット ジョイント部添接板との干渉 ガセットを切り欠く
干渉 開口補強 ダイヤ・横リブ・V−stとの干渉 補強材を切り欠く
干渉 添架物 ズレ止め・床版受・吊り金具・計測ナット等 相互に干渉するので優先順位を付ける
合印 組立て合印 一般に添接孔の第一ゲージを使用 縦リブ・Uリブは孔ゲージと一致しない
合印 コネクションPL 一般に孔ゲージを使用 孔取り合いのある部材は合印必要
合印 横構ガセット 一般に引き付けから100に設定 孔取り合いのある部材は合印必要
合印 現地溶接継手 組立て合印・拘束材との合印が必要 本体もツラ合せが出来ないので必要
添架物 排水横引き 図面指示の勾配は完成時の勾配 原寸時の勾配はキャンバーを含む
添架物 検査路 検査路に横断勾配は付かない 取り付けピースで調整する
添架物 落橋防止装置 支点の転びを考慮する 一般にPCケーブルは支点に直角
支承・ソールPL 取り付け角度 橋軸方向は直橋以外に使えない 断面方向に対しての角度で作業する
支承・ソールPL ピン径・ボス径 図面指示はボス径=ピン径が多い ボス径=ピン径+1Φを要望する
支承・ソールPL テーパー 一般にテーパー加工後の最小板厚は22t テーパー量は4隅の板厚で管理する
耐候性部材 添接材形状 排水性の考慮 外面側にも分割添接材を使用
耐候性部材 ジョイント隙 排水性の考慮 ジョイント隙間を10ミリ程度とる
鋼種の選定 主材の材質 16t、25tの境界線を勘違いし易い 溶接構造の補構材も母材に合す
鋼種の選定 添接板の材質 添接板は必ずしも母材と同一ではない 添接板は溶接構造ではない
孔縁端距離 ウェブ添接板 孔縁端50や60の場合が有る 材料寸法照査時に勾配も考慮する
孔縁端距離 横構ガセット 断面部材との取合孔は設計照査が困難 縁端MAXが8t以内になるよう調整する
孔間隔 横構ガセット 断面部材との取合孔は設計照査が困難 応力方向の孔間隔はMAX12t(M22のボルト)
拡大孔 横構ガセット 一般にブレースとの取り合いは拡大孔 断面との取合は正規孔が多いので明記必要
拡大孔 26.5φ M22のボルトに対して26.5φ M20、M24は別途
開先 開先方向 T継手で捨て度60度を越える開先は不可 開先面・溶接要領の変更
開先 角溶接 角の外面側には何らかの開先が必要 ウェブ側に取るのが一般
開先 T継手 一般に板厚17ミリ以上は開先が必要 開先指示がなければ何故かを理解する
開先 突き合せ 一般に板厚11ミリ以上は開先が必要 手溶接の場合は6ミリ以上
JV工事 作業進捗状況 先行工事の施工要領が図面より優先する 先行工事の原寸資料を入手する
JV工事 ウェブ添接材孔割り 勾配なりに作成しない事が多い JV間でのデータ受け渡しを行う
架設 手延べ構造 一般に手延べ要領決定は遅い 手延べによる図面変更に備える
架設 架設用吊り金具 架設ピースの取り付け位置決定は遅い 他部材との干渉を考慮した照査が必要
架設 落し込み 落し込みブロックはジョイント隙を多めにとる 添接板も後孔とする
輸送手段 陸送時高さ制限 荷台を含んで4300を越えると不許可 吊り金具・スラブアンカー等含めて照査する
輸送手段 輸送時長さ制限 20Mを越えると陸送出来ない 一般には10Mを越えると許可申請が必要
仮組立て 縦断・横断 一般に縦断は倒し、横断は倒さない 断差は1Mを越えると危険
仮組立て 変位制限装置 下フランジに付属物が付くと冶具が置けない 付属物がない位置に冶具をセットする
組立て 箱組 一般には上フランジベースで行う 断面変化が下縁側ならば下フランジベース
組立て 組立て冶具 一ブロックにフルダイヤ1枚では組みにくい 形状保持材も常に考慮が必要

更新日 01/08/23
名前 NAKAMURA

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