2003.04.24 箱桁
主桁ウェブに配置された横桁ウェブの配置線不良。
連絡を受けた時には、”バン桁”だったか?と思いました。
横桁の取合いを間違うとしたら、払い込みしか思い付かなかったのです。
ところが、実際に”箱桁”で横桁との取合い不良が発生してしまいました。
納品データを調べてみると、横桁の配置線(複線)の一方が逆に配置されていたのです。
そんな初歩的な間違いが何故起こってしまったのか…。
@該当部のダイヤと横リブは、平面の斜角が大きかった(60度)。
A斜角による板厚の延びを重視したため、手作業で板厚の付加を行った。
Bオフセットの方向を間違ったにも関わらず、その後の照査で発見出来なかった。
ポイントは2つ。
@手作業での操作が発生したこと。
A斜角の大きさに、漠然とした恐れが有ったこと。
です。
(対策)手作業は、必ず、”操作ミス”が発生します。
だとすれば、手作業で作成した資料を、どうやって照査するか?
照査をしたのに発見出来なかった原因、”斜角の大きさへの恐れ”が問題です。
私なりに、標準的な斜角を作画して考えたのですが…。
@仮に斜角が無く、裏表の板厚が同厚ならば、配置線は裏表同一位置になる。
A裏表の板厚が同厚で斜角が有れば、裏表の配置線は裏・表・裏・表と交互に配置される。
B標準的な箱桁・バン桁の斜角は60度以内である。
(それを越えると、RC桁の範疇では無くなるらしい。)
C裏と表の板厚差が2倍以上なのは、特殊な場合だと考えられる。
D斜角と板厚差が小さければ、裏表のズレは小さくなる。
だとしたら、照査を行う場合に注意する事は、”裏・表・裏・表”の交互の法則です。
裏・表・表・裏…なんていうパターンが有ったら、”何故?”と自問するべきなのです。
実際、今回の不良は、同様の構造が4箇所有ったのに1箇所だけ発生しました。
しかも、板厚差が2倍以上有ったにも関わらず、交互のパターンが”正解”でした。
極稀な”交互では無いパターン”に惑わされた不良だと、私は考えるのです。
どうか皆さんも、”交互にならないのは何故?”を自問してみましょう。
ちなみに、交互のパターンは、”両面・複線罫書き”で発生します。
”片面・単線罫書きだから関係ない!”人は、板逃げ記号を”逆”に付加しないで下さいね。
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