展開の定義


まず、一言で ”展開”と言っても、人によって受け止め方は異なるようです。
言葉遊びをすると、 ”ひろげること・改めること・発展すること” の意味があります。
(ぐるぐる回ることは、”転回”なので混同しないで下さい。)

例えば、紙を折って作った物を元に戻す(紙を広げる)のも展開です。
4つ折りにされた新聞紙を開けば、新聞紙を展開して内容を読むという行為になります。
おおよそ、この世で ”展開”と無関係に生活している人はいない…と考えられます。

しかし仕事で、”展開してくれ!”と指示すると出来ない人が多いのは何故でしょう???


 製造業で ”展開”の指示をする場合、2通りの意味があります。

 1、一角法・三角法で表現された図面の内容を、一平面上に表現すること。

 2、立体を開いて、一平面上に表現すること。


 上記の1,2を混同すると、話は最初から食い違ってしまいます。

 1は、図面に表現されている内容を、あなたが分かり易く表現すること。

 2は、図面で表現出来ない内容を、あなたが表現する方法を考えること。

 あなたが悩んでおられるのは、どちらでしょうか???



 1、一角法・三角法で表現された図面の内容を、一平面上に表現する。

 一角法・三角法の違いを説明するつもりは有りません。(正直なところ習った事も無い^^;)
 しかし、最低限図面には正面図・平面図・側面図が有る事を知らないと話にもなりません。
 平面図では100×100のPLも、正面図で100×200だと分かったりします。
 実際には、平面図・正面図・側面図を頭の中で組み立てて立体化します。
 その上で、誰が見ても分かる形にして、一平面に表現し直す。

 図面は、誰が見ても分かるように描かれている、と思うのは甘えです。

 橋梁図面は、 ”全体をいかにして一平面の紙で表現するか” を重点に描かれてます。
 そのために分かり難くなっている部分を、分かり易く表現し直す。
 それは、人間の見た目だけではなく、NC制御機械の認識においても、ということになります。
 これが、第1の”展開”の意味です。



 2、立体を開いて、一平面上に表現すること。

 例えば、”丸い筒”は、どうやって出来たのでしょうか?
 四角形の紙を丸めるとか、円柱の周りに紙粘土を貼り付けるとか…。

 では丸い筒が、筒になる前は、どのような状態だったのでしょうか?
 言い換えれば、丸い筒を作るには何が必要か?を考えるのが、もう一つの展開です。

 橋梁(鋼橋)業界の方ならば、最低限、”鉄”の特性を理解する事が必要になります。
 鉄は、切れる・つながる・曲がる・延びる・縮む・溶けるといった、様々な性質を持っています。
 鉄を曲げても、溶かしても、丸い筒は作れます。(縮めて作るのは至難の技ですが…。)

 製造業の根幹は、”いかに簡単に物を作るか?”にかかっています。

 パイプの展開を依頼されれば、加工方法を確認するのが当たり前です。
 鉄板を曲げてパイプを作るのならば、一辺が板厚の半分の直径×πの四角形を作ります。
 何故ならば、その四角形の材料を使えば、材料の無駄がゼロで、切り合わせという加工が不要。
 曲げて切り口を溶接するだけで、パイプが出来るので効率が良いからです。

 でも、そのパイプがSGP(鋼管)ならば、既に丸い筒は出来ているのです。
 (おそらくは、パイプを切断するための展開資料が必要なのだと判断するべきです。)
 そのパイプの外形を12分割して、展開形状を作る必要が有るのか無いのか?

 第2の展開は、 図面で表現出来ない内容を、あなたが表現する方法を考えること なのです。




 少し、意見めいた説明をしました。
 ”言われたことだけやってろ!”のご意見が有る事も確かです。
 でも、製造業の根幹は、 ”いかに簡単に物を作るか?” に、かかっています。


日本の製造業を後世に引き継ぐためには、避けて通れない課題だと思う次第。^^;
展開=発展であって欲しいと考えています。^^;
皆様のご意見お待ちします。^^;


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