実際の手法


私が中学生の頃(30年前)、製図道具と言えば、
1、2種類の三角定規
2、コンパスとディバイダー
3、分度器
4、三画スケール
5、鉛筆・消しゴム
およそ、これらが代表的な道具でした。
パソコン全盛の現在でも、学校ではこれらの道具を使って製図を教えていると思います。

展開の仕事…と言えども、紙(又はフィルム)に ”図形”を描く事に違いは有りません。
先ほどの5道具に加えて、スチールテープとか電卓とかバッテン?とかが活躍します。
これらの道具を使って 展開を行う方法が考案された から、展開が容易になったのです。
(ちなみに、パイプの展開を鉛筆だけで出来る人は、天才と呼ばれる方です。)

物作りにおいて基本的なことですが、道具は使う人によって、その威力が大きく左右されます。
展開に限らず、大工さんやお医者さんも、まず道具を大切に扱います。
展開が出来ない人は、道具の使い方を知らないか忘れている人なのです。


 ここでは、基本的な道具の使い方(平面図法)を説明します。
 1、直線の垂直2等分線
 2、直線を任意の数に等分する
 3、任意の角を2等分する
 4、円弧の長さを直線に移す(近似法)
 5、半円周を任意の数に等分する(近似法)
 6、パイプ切断面の展開

 どれも、今時CADを使えば、”ポン!”と出来る操作ばかりです。
 しかし、これを定規とコンパスを使って出来ない人は、CADでも展開出来ません。
 CADを使って 展開を行う方法を考案出来る方 は、展開出来ないと言わないはずです。
 温故知新ではないけれど、人に教えてもらうなら、その人が通った道を知る事。
 遠回りなようでも、それが技術の伝承というものでしょう。



 1、直線の垂直2等分線



@:与えられた直線上で交差する円弧を直線の両端から描く。
A:2つの円弧の交点を直線で結ぶ。













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 2、直線を任意の数に等分する



@:与えられた直線の一端から、任意の直線を引く。
A:任意の直線を、任意の等分割数に分割する。
B:与えられた直線のもう一端と、分割点を直線で結ぶ。
C:Bの直線に平行な線を、各々の分割点から引く。
D:与えられた直線と平行線との交点が、等分割点。








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 3、任意の角を2等分する



@:与えられた直線の交点から、任意の円弧を描く。
A:円弧と直線の交点から、任意の円弧を描く。
B:与えられた直線の交点と、円弧と円弧の交点を直線で結ぶ。











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 4、円弧の長さを直線に移す



@:与えられた円弧に弦を張る。
A:弦の2等分点を、弦の一端の延長上に移す。
B:弦の一端から円弧との接線を引く。
C:弦の延長上の点と弦の一端を半径にした円弧を描く。
D:Cの円弧と接線の交点までが、円弧の長さになる。







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 5、半円周を任意の数に等分する



@:直径を任意の数で等分する。
A:直径の両端から、直径を半径にした円弧を描く。
B:円弧の交点と直径の等分割点を結ぶ。
C:結んだ線を半円周まで延ばして交点を求める。
D:求めた交点が、半円周の等分割点。








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 気が付かれたでしょうか?
 直線(定規)と円弧(コンパス)だけが道具なのです。
 
CAD上でも直線と円が描ければ展開が出来るのです。
 この理屈さえ分かれば、もっと簡単な方法がCADに有ることが武器になります。
 もっと言うと、どのような操作が出来ればCADがもっと便利になるかも…。


最後に、実践編としてパイプを任意の角度で切断した際の、切り口展開方法を掲載しておきます。
皆様のより一層の活躍をお祈り致します。
 6、パイプ切断面の展開







































































































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