2.主桁の架設
3.断面の架設
4.橋台との連結
5.床版(道路)の作成
ここでは、架設作業の流れ(ステージング工法)を簡単に説明します。
本当の架設作業は、ステージ(ベント)を組んだり足場を作ったりと、もう少し複雑です。
最低限、原寸作業に関わる人が知っておいて欲しい流れだけ解説します。
その他の架設方法を知りたい人は、
橋梁原寸の実作業を見て下さい。
1.橋台・橋脚の作成
まず、橋を乗せる台(RC又は鋼性橋脚)を建てます。
用地買収やら地質調査やら目に見えない部分での苦労が多い作業です。
一般に橋脚・橋台は下部工と呼ばれ、鋼橋(上部工)とは別枠での工事です。
そのため上部工を作る人(原寸屋)は、案外、下部工のことを知りません。
^^;あれれ…^^;もそういう意味では、もっと勉強しなくては…。
まず主桁の架設が行われます。
トラッククレーンで届く高さなら良いのですが、現実にはそうでないことも多いです。
(深い谷間や海上、線路の上…)
架設専門のエンジニアが必要なくらい、様々な架設方法があります。
しかし、共通して言えるのは”主桁が無いことには…”だと思います。
”支承とソールPLが取り合わない”といった不都合が、この時点で分かると最悪です。
架設シミュレーション等の技法が、早く実現して欲しいものです。
主桁の架設が終わると、次は断面ブロックの架設です。
クレーンでの架設では、物を斜めに移動することを嫌います。
上下・左右・前後への移動で架設を行うため、どうやって目的の位置に運ぶかは重要です。
一般に主桁間は狭いのですが、更に、中縦桁の架設が有ったりすると架設順番も重要です。
端支点の箇所などは橋台に要注意!!橋台を動かすことなど不可能です。
そんなこと設計の段階で考慮しているのが普通ですが、不都合の指摘は有るようです。
ただし、”主桁と断面は一体架設”の場合は、その限りではないので確認を行いましょう。
断面の架設が済むと、両桁端と橋台の間に伸縮装置が取り付けられます。
阪神大震災以降は、この時点で橋台と橋をケーブルで繋ぐ作業も追加されました。
設計者から図面を受け取って”今回は伸縮も落橋防止もないから簡単”と思わないで下さい。
その辺の図面が遅れているのは、橋台の仕様が決まらないことを意味しています。
橋台が確定した時点で、本体を含めて”大変更”になる可能性がある…のです。
さて、ここまで出来ると、本体の周りに作業用の足場が作られ、安全ネットが橋を覆います。
ネットに遮られて、中の様子は見えにくいのですが、RC床版の作成が行われます。
ベニア板(?)で床版の型枠を造り、その中にコンクリートを流し込むのが一般的です。
コンクリートが固まったら、型枠を外して出来あがり。
後は、床版上面をアスファルトで舗装して道路表示を行います。
出来あがったばかりの橋は、コンクリートの白とアスファルトの青がとてもきれいです。
街に架かる橋ならば、上部工(主桁)もペンキで塗装が施されます。
橋梁架設は土木工事ですが、ある意味、”景色を創る工事”とも言える訳です。